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ST.0 ポンコツ新米教師

私はこの春から教師になった、三嶋 梓です。

ハッキリ言って、生徒と上手くはやっていけてません。

高校に勤務しているため、生徒たちと歳も近く、

ナメられてしまってます。

悲しい事に教師というよりは、少し年上のツレという

扱いになっているように感じます。

生徒から「あずさちゃん」なんて呼ばれ方すると、

本当にツレみたいだなって。


それに私は中々のポンコツで、逆に生徒に助けてもらって

ばっかりで。多分、生徒たちからツレみたいに思われてるのは

ポンコツさが原因だと思う。

この前のテストの試験監督した時だって、

試験の教科間違えてテスト用紙持ってきちゃったし。

私はまずこのポンコツさを無くさないと、今の状態から

変わらないよね。


てかポンコツ以外の原因が思い当たらない。

授業は分かり易くなるように、前の晩から授業の進め方とか

どういう話をするかとかを考えてるし、授業は原因じゃないと

思うんだよね。世界史担当だから暗記事項多いし、要点を

きっちり伝えれる授業を出来るように心がけてる。

私の甚だしいレベルの見当違いが起こって無かったら、

原因はポンコツだよね。


まあ悩んでるだけじゃ何も解決しないし、毎日学校で生徒と

関わって解決の方向へ持っていくしかないか。

とりあえず、いつもの鞄に必要な物を全部入れて

出勤。今日も対応に追われるのかと思うと気分が落ち込むけど

仕方ないよね。それが仕事なんだしさ。

でも、生徒たちの教師に対する反感は日に日に

大きくなっているんだろうな。私がポンコツじゃ無かったら

なんとか出来てたかもね。

何事も起こっていない事を望んで出勤するしかない。


電車に乗ってからもずっと考えてしまう。どうしたら

教師らしくなれるんだろうって。生徒たちに頼られる、

私の思い描いていた教師像とは大違いだな。


『まもなく電車が着きます。お降りのお客様は、

 お忘れ物のございませんよう、お気を付けください。』


車掌さんのアナウンスが聞こえてきた。

次は私の降りる駅だから、準備しておかないと。

今日は雨とか降る予定も無くて傘持ってきてないから、

気を付ける物は特にないかな。


『○○、○○~ ご乗車、ありがとうございました。』


早く学校行かないと。それにしても今日は道が騒がしい。

何かあったのかな? 道が騒がしくなるって、暴走族とか?

いやいや、今の時代に暴走族なんて居ないよね。

ここらへんで暴走族見た事なんて無いし。

横断歩道渡った先が学校だ、早く行かないと。


「危ない! あずさちゃん!」


私の名前を叫んだのは誰? なんで私は身体が宙に浮いてるの?

ポンコツな私じゃ理解が追い付かないよ。でも、私の事を

「あずさちゃん」って呼んだって事は生徒たちの誰かかな。

地面に叩きつけられたのに痛みを感じない。派手に身体が

吹っ飛んだのに私はなんで痛くないの?


「あずさちゃん、直ぐ救急車呼ぶからね!」


この子は、3組の‥‥

そっか、私事故に遭ったんだ。学校の前の横断歩道で事故か。

どんな時もポンコツ全開だな私。生徒の前でこんなふうに

倒れて、恥ずかしい。


「あずさちゃん、ごめんなさい‥‥」


どうして謝るの? 私は痛くも無いから大丈夫なのに。

普通に動けるし、無事だよ。あれ? 体が起こせない。

それどころか指すらまともに動かせない。

私、今大変な状態になってるのかな。

もやっとしてて頭が上手く働かないよ。分かる事は、

私が死の間際にいること。折角教師になれたのに

こんな所で死んじゃうの? 死にたくないな。

でも死にたくないって言葉が出てくるのに、それほど

強く死にたくないと思わないんだよね。矛盾してる。


「悪い事をしたとは思うが、こちらの世界のためには

 仕方がない。」


あれ、今の何? 誰の声だろう。聞いた事の無い声だったな。

低くて力強い声。


「さて、早くこっちに来てもらおうじゃないか。」


私はその言葉を聞いた瞬間、眠った。体が勝手に眠ってしまった。

人間って死んだらどうなるんだろう。

読んでくれてありがとうございます!

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