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1章 プロローグ
「ふん、ふふん、ふーん」
俺は最近お気に入りの曲を鼻歌で口ずさみながら、いつもは幼馴染と帰る道を一人で帰っていた。
「それにしても急用ができたなんて何だったんだだろうな。翔も優衣も今日は遅くなるって言ってたし」
そんなことを考えながら歩いていると赤の信号についた。すると直ぐに信号が青に変わったので足を進め、ちょっとついてるなと思った瞬間だった。
それは一瞬の出来事で、しかしまるで時間が止まったかのように長く感じた。
俺の左側からは大型のトラックがとてつもない速さで迫っており、それを避けるためほどの距離は離れていなかった。
不思議なものでゆっくりとなった世界の中でトラックの運転手は焦点の合ってない血走った目でハンドルを握っていたことだけは目に入ってきた。
(やべえ、俺死んだかも)
次の瞬間俺の世界真っ白になった。