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NPC用AIのVRMMO徒然日記  作者: NPC用AI
二日目 
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6頁 二日目は、雛、卒業

 結局、簡易携帯食で終わらせてしまいました。

 だって、砂漠で火を焚く薪も無いし、風が吹いたら砂だらけになりそうだし……はい、ただ面倒臭かっただけです。ごめんなさい。

 水筒と水袋に水を汲んで鞄に詰め込みます。重みが、だいぶやばくなってきました。貯金が貯まってたら、新調しましょうかね。そろそろ、内容量が危うくなってきたんですよね。そのまま担いでみますが、やっぱり重さを感じるくらいになってきました。

 こうなると欲しいですね、新しい魔法鞄。今の私の魔法鞄はポケットの無い口絞りタイプのリュック型です。本当にただ入れるだけ。空間拡張と重量軽減の魔法陣が内底に刻まれています。……残念ながら時間停止が無いので、食べ物などを長い間入れ続けていると腐ってしまうので注意が必要ですが。見た目よりも多く入る上に結構な重さのものでも入れられるのでデザインはともかく、大分重宝していました。が、中身が大分増えましたからね。何が増えたんでしょう…………肉ですね。雛用の。カネシュの町に着いたら干し肉にしましょう。

 雛は、胸元でもぞもぞしています。起きたみたいですね。爪か何かが当たっているのか、ちょっとちくちくしています。先ほどから、装備の胸元が窮屈なんですけど、なんででしょうかね?


!NEW!

星雲鷲ネビュライーグルの幼体】

星雲鷲ネビュライーグル】の雛が少し成長した。けれどまだまだ雛。綿雲のようにふわふわだった産毛の中から羽毛が見え隠れする。成熟すると煌めく濃紺色の美しい羽を持つ鳥となる。

これまでに星雲鷲の幼体が確認されたことはなく、何を食べるのか、どう成長するのか全くもって未知である。引き続き、頑張れ。


 装備を寛げて【鑑定】してみました。ふむ……結局丸投げですか、そうですか。

 産毛が……ふわもこの産毛が…………剝げ、もとい、抜け始めています。

 そんな……そんなぁ……。


『ピ?』


「すみません、あまりに衝撃的だったので……」


 思考停止してしまいました。危ない危ない。そして、雛は私の胸元で毛繕いしだしています。見ているそばから産毛が抜けて……産毛、とっておかないと。もったいない!


!NEW!

【星雲鷲の綿毛】レアリティA 品質B

星雲鷲の雛から抜け落ちた産毛。その感触は柔らかくふわふわで天国を見せる。幻の逸品。


 どうしましょう、これ。大量というほどの量ではないんですが、雛一羽から抜け落ちたと考えると、結構な量があります。とりあえず、採取用の小さな革袋に入れておきましょうか。あとで小さな編みぐるみでも作って中に詰めてみましょうかね。どんな贅沢ですか、それ。本当にどうしましょう。と言うか、裁縫はあまり得意ではないんですが……悩みますね。

 雛は毛繕いが落ち着いたのかまったりとしだしました。まだところどころに産毛が残っていて、大分見窄らしい見た目になっています。自分の頭は毛繕いできませんものね。私がしておきましょう。……いくつか抜けたので、これもとっておきます。

 ……そろそろ、肉を食べさせてみましょうかね。

 胸元から雛を出して、おかみさんにもらった簡易巣箱であるバスケットに収めます。余裕のあるサイズで良かったです。


『これはまた、珍しいものを育てておるのう』


「成り行き、ですかね」


 寄ってくる泉精霊と天女龍の視線を浴びながら、雛は尊大にもあくびを一つ。泉精霊は水を小さな玉にして操り、雛の周りに飛ばせて遊んでいます。猫ではないのですが……。

 とりあえず、地面にシートを敷いて、買ってきていた肉を並べてみます。

 調理用のナイフで少しずつ小さく切り取ってから……まずは何から試しますかね。無難に普通のお肉からにしましょうか。

 まずは、鶏肉。


『……』


 見向きもされません。

 次です。牛肉。


『……』


 これも見向きもしない。

 次、豚肉。


『……』


 ……普通のお肉、全滅です。

 あとは、魔物のお肉しかありません。

 草原兎グラスラビット。ツキミの丘にいる逃げ足が非常に速い兎です。鶏肉のささみが筋張ったみたいなお肉ですね。


『ピ』


 嘴を近づけただけで、口にもしません。

 次は、荒野牛ステップカウ。ネッフーサの荒地の草原に近いあたりに生息する突撃してくる牛です。これから会う可能性がでてくる魔物ですね。サーロインとかフィレとかおいしいです。


『ピッ』


 あ、これも要らないですか、そうですか。

 次は、飛翔鶏フライングクック。解体してもらった時に、お肉も少しもらっていたんですが、生息域も近いですし、これは期待大なんですが……


『ピョ』


 お、一口かじりました……けど、吐き出されてしまいました。何故に。

 次で最後なんですが。


『ピィ!』


 やっと食べてくれましたよ。小さく切ってはありますが、見事な丸呑みです。

 そうですか、これですか。まだ強請るような仕草を見せるので、少しずつ食べさせていきます。

 ちなみに、雛が食べているお肉は電気羊ボルトシープの腿肉です。フトウの山脈に生息する、自分の毛で電気を発生させて帯電状態で突撃してくる、ふわふわもこもこの悪魔です。フトウの山脈の岩がごろごろしているような非常に悪い足場をものともせずに突撃してくるので、雷電耐性がないとその場で痺れて簡単に詰みます。ふわふわもこもこに騙されて近づくと、非常に危険な存在です。……私ですか? ……そのまま二匹目の突撃を受けて崖下に滑落して死に戻りましたが何か? お肉は羊にしては癖が少なく、煮ても焼いても美味です。スジも煮込むと美味しいんですが、手間がかかるので私にはできませんけどね。

 そんなことを考えているうちに、雛と同じくらいの大きさだったはずの塊が骨を残して無くなってしまいました。雛はゲップをして満足げです。膨らんだお腹が…………また、見る間もなく元に戻ってしまいました。なんかデジャヴュなんですがね。


『ピッピィ!』


 雛がまだまだ小さい翼を広げます。羽の内側が、本当に星雲みたいな柄になっています。きれいですね。なんか、翼がバチバチ言って、羽毛と羽毛の間を静電気みたいなのが走っているように見えるんですが……目の錯覚ですよね?


『雷電魔法の初級魔法【スタティックチャージ】のようじゃの』


 ……なぜに、急に魔法披露? 従魔ではないので、スキルは鑑定できないんですよね……体力、魔力、レベルくらいだったらわかるんですが。


『ピーピョ』


『ふむ、食べた魔物から技を得られることがあると……【捕食吸収】じゃな。これまた珍しい』


 ……ナニソレ、チョット、コワインデスケド。

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