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NPC用AIのVRMMO徒然日記  作者: NPC用AI
二日目 
30/35

2頁 二日目は、パワーレベリング

 パワーレベリング。レベル強者の力を借りてレベル弱者が一気にレベルを上げる、世間一般的に好まれない行為です。スキルが育ちませんからね。ですが、この場合は、私が自分で雛を養殖するわけですから、誰の手も煩わせていませんし、セーフだと考えます。雛は雛であっても幻種ですから必要な経験値も多いでしょうし、そこまでレベルアップできるとは考えていませんけどね。


『ピッピピィ!』


 胸元の雛が声を張り上げると私の胸元に小さな白い魔法陣が展開します。


『ピョーッ!!!』


 再度の声で魔法陣から白く輝く巨大な槍が飛び出します。

 魔法陣の大きさと槍のサイズが合ってませんが、気にしません。神聖魔法の【ホーリージャベリン】あたりでしょうか。私の矢を跳ね返していた砂塵竜の体へ深々と刺さっていきます。幻種、反則じゃないですかね、雛のうちからこんな強いとか、非常にチートくさいです。


『……ピ』


 あ、でもやはり雛は雛みたいです。魔力は少なかったみたいですね。胸の間でフラフラしだしました。

 トドメとしては、まだ少し足りないみたいです。


「ウィンダリア」


『ヨンダ?』


「魔力を使って構いません、あれにトドメを」


『オォ サンドドラゴン!

マカサレタ!!』


 首を傾げていたウィンダリアが私が指さす先に死に体な砂塵竜を見つけて、爛々と翡翠色の瞳を輝かせます。同時に砂塵竜の上空まですばやく飛んでいくとそこで薄緑色の魔法陣が展開します。一気に魔力を吸い上げられる感覚はやはり慣れませんが、こちらもレベリングしないといつまでも私が一人で頑張らないといけないので、必要経費と割り切りましょう。


『エアリアルエッジ!』


 大きな三日月型の真空刃が、上空からギロチンの刃のごとく落ち、砂塵竜の首を切り飛ばします。うわぁお……どうみてもトドメです。頭を失った砂塵竜の体がその場に崩れ落ちます。軽く砂を巻き上げて倒れた巨体と転がった頭が光のポリゴンになって昇華していきます。

 その場に残されたのは戦利ドロップ品の、【砂塵竜の皮】が三枚と、【砂塵竜の背鰭】が一枚、【砂塵竜の尾鰭】が一枚と…………【砂塵竜の砂玉】が一つですね。猫の毛玉みたいなものなので、あんまり触りたくないのですが、戦利品です、仕方ありません、拾いましょう。


《【砂塵竜サンドドラゴン】を狩猟しました》

《緊急討伐依頼【砂の下から砂塵竜】の目標を達成しました》

《緊急討伐依頼【砂の下から砂塵竜】の報告が可能になりました》

《依頼主に報告をしてください》


《祝! 世界初討伐!》

《スキルポイントを5ポイント付与します》

《祝! 世界初ソロ討伐!》

《スキルポイントを5ポイント付与します》


《ネッフーサの荒地エリアボスを世界で初めて討伐しました》

《名前を世界の声ガイアアナウンスに載せますか?》

《 はい》

《→いいえ》


 危ない、そんなの『いいえ』に決まってるじゃないですか。


《種族【高位精霊人ハイエルフ】のレベルが上がりました》

《スキルポイントを2ポイント付与します》

《職業【賞金首狩人バウンティハンター】のレベルが上がりました》

《スキルポイントを3ポイント付与します》

《スキル【短弓術】のレベルが上がりました》

《スキル【鑑定】のレベルが上がりました》

《スキル【精霊召喚術】のレベルが上がりました》


 経験値がたまっていたのか種族レベルと職業レベルがあがりましたね。重畳です。スキルポイントが大豊作ですね。


「おつかれさまでした」


『バトル ヒサビサ タノシイ

ダリア ツヨクナッタ?』


「そうですね……レベルが2つ上がっています。ステータス的には魔法攻撃力が2、魔法防御力が1、素早さが1、上がっていますね」


『マホウ ツヨクナル ウレシイ』


 ご機嫌な感じでウィンダリアが肩に乗ってきます。頬に寄せられた鱗がツルツルで冷たくて気持ちいいです。小さな頭を指先で撫でれば擦り寄って来る辺りが、また可愛らしいです。


『ピィ……ピッ』


 魔力不足で具合が悪いのでしょう雛が申し訳なさげに声を上げます。


『マリョク サイショ スクナイ シカタナイ』


「そうですね、今のバトルでレベルが一気に4も上がっていますし、魔力の絶対量が大増量していますから、次のバトルは【セイクリッドチェーン】も平気だと思います」


『ピ?』 


『オマエ ツヨイ

ヤクタタズ チガウ』


 今の短い声にそんなに長い意味があったのでしょうか……さすがにわかりませんでしたよ。ウィンダリアがいると雛との通訳になってくれるみたいですね。これは、いいことを知りましたよ。


「無理にとは言いませんが、魔法は小さいうちから打ち慣れていたほうが絶対に良いですよ」


『エイサイキョウイク?』


「否定はしません」


『ヒナ ガンバレ』


『ピピィ!』


「まぁ、今は回復が先ですけどね」


『ピ……』


『ヤスム ダイジ

ネル セイチョウ スル』


『ピィピ?』


『ホント

セイレイ ウソ ツケナイ』


『ピョ……』


『オヤスミ』


「お休みなさい」


 雛が寝息を立てて寝だしたのを確認してから辺りを見回します。砂塵竜が起こしていた砂嵐がようやく収まり始め、砂の壁が薄くなっていきます。あれだけ大きな砂嵐でしたから、消えるのにも時間がかかるのでしょう。結構な広範囲に広がっていましたからね。なんせ、オアシス、埋もれてましたから。


〔ネッフーサの荒地エリアボス【砂塵竜】が討伐されました〕

〔以降、不定期間隔で【砂塵竜】が現れます〕

〔鍛冶の町【カネシュの町】との交易が開始されます〕


 世界の声ガイアアナウンスが流れましたね。先ほどリタイアしたパーティが引き返してくるかもしれませんし、取り敢えず、一縷の望みをかけて元オアシスまでトンズラしましょうか。

雛の魔法を氷雪から神聖に変更しました。

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