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花恋に永遠を  作者: 雪月花
22/25

story21 鳥戸間くんと子龍くん

鳥戸間くんへの返事を出せないまま、2週間が経ち、夏休みが終わりそうになっていた。子龍くんは未だ帰ってこない。休みボケなのか何なのか、私は家でグダグダして過ごしていた。


ソファに寝転がっていると、インターホンの音がした。


「はいはーい…」


ガチャ、とドアを開けた瞬間。目が覚めたような感覚だった。


「鳥戸間くん…久し、ぶり」


「出た?」


「え、何が…」


「答え」


どうしよう、という焦りが募る。


「えっとまだ…その、色々、ね」


自分でも言ってることがよく分からなかった。


「今から出れるか」


「どこに?」


「近く」


私が少し考えていると、鳥戸間くんは気まずそうな顔をした。元々無表情だから表情の変化は分かりづらいけど。


「ダメだったら別にいい」


「あ、ううん!大丈夫!ちょっと待ってね」


どこへ行く気だろう、鳥戸間くん…。色々と考えながら準備を済ませた。



結局、私達が向かったのはショッピングモールだった。


「何か買うの?」


鳥戸間くんは答えてくれない。黙々と歩いている。ふと、急に鳥戸間くんが立ち止まった。


「…ここ」


「?」


「俺が花咲を好きになった場所」


ここ、は…。あ。思い出した、鳥戸間くんにぶつかった場所だ。桔梗ちゃんになりたくて頑張ってたんだなぁ私。


「でも今思うとさ」


鳥戸間くんが続ける。


「俺が好きになった花咲は子龍、てやつに恋をしてる花咲だったのかもしれないよな」


「…え?」


「もちろん好きな気持ちは変わらないけど」


そんなに好き好き言われると恥ずかしい。顔が赤くなっている気がする。


「だから…」


その瞬間、目の前が真っ暗になった。誰かに手で目を覆われたみたい。一体誰…


「詩音」


それは懐かしい声。


「子龍くん!?」


目を覆った手は離してくれない。


「鳥戸間くん、だっけ。付き合うことにしたの?」


「え、違っ…」


「顔赤くなってるけど」


う、何か今の子龍くんは意地悪だ…。どうしたんだろう。目が覆われているため子龍くんの表情も窺えない。


「鳥戸間くんのこと好きなんだ?」


「違う!私は子龍くんのことが…」


「オレのことが、何?」


「…き、」


「聞こえないなぁー」


あーもう!と色々吹っ切ることにした。


「好き!ずっと前から子龍くんのことが好きです、どれだけ会えなくても諦められなかった!」


「…うん。オレも好きだよ詩音。…じゃそーゆーことだからばいばい鳥戸間くん」


目を覆っていた手が離れ、代わりに手をひかれる。少しコケそうになったけど、受け止めてくれた。そのまま歩き出そうとする。


「あの」


ふいに、背後から鳥戸間くんの引き止める声がした。

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