第二話 帰還
「ハッ!?」
目が覚める。目の前はいつも見たような自室の屋根だった。ふと頭に手を置き考える。あれは悪い夢ではなかったのか?本当に起きてしまったことなのか?そんな考えが頭をよぎり、チラッと自分の右腕を確認する。
そこには何もなく、自分の腕があった。ふぅ…と軽く安堵の息を吐いてベッドから降りようとした時、
コンコン
自室の扉を叩く音がする。不思議に思い首を傾げると扉がゆっくりと開いていく。
「…起きていたのかッ!!」
大きい声を上げて人影は部屋に入ってくる。あの影が自分に飛びついて来た時に正体に気づいた。
「エリザか…」
そう言うと彼女は涙を貯めた目でこっちを睨むと
「本当に心配したのだぞ!?魔具に選ばれて魔導騎士の仲間入りしてからいざ故郷に帰ってこればお前が雪山で倒れて意識がないなんて!」
一息でそう彼女は言うとベッドに顔をうずめ軽く泣き始める。
それを聞いてふと昨日、雪山に行っていたなと思い出せた。
「本当に何もないんだな!?ヴェルギル!」
彼女は俺にキッ!と視線を向けなおすと急かすように問いかけてくる。魔具である刀を持っている彼女に睨まれると背中に微かな寒気が走るが幼馴染なのであまり気にはしなかった。
そうだと言わんばかりに俺が首を縦に降ると大きめな胸に手を当て安堵の息をかすかに吐く。
そしてかすかにこちらを見ると俺の胸に飛び込んできた。
「帰ってきたぞ!ヴェルギル!」
彼女は笑顔で問いかけてくる。
俺はその彼女を微笑みながら見ておかえりと言った。
あぁぁ…文が短いぜぇ…(涙目