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東方天雪記  作者: トマトしるこ
序章
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2話、魔法使い

短いです。

「ただいまー」


 靴を脱いで玄関のカギを掛けて家に上がる。

 「おかえり」の返事が返ってくることは無い。両親は交通事故で数年前に他界してしまった。それから僕は1人でこの広い家に住んでいる。親権は遠い親戚の人に移ったらしいけどその人の顔を僕は知らない。正直どうでもいい。


 リビングのエアコンに電源を入れたあと2階の自分の部屋に上がった。本とノート、ボールペンを見つけた後、それを持ってリビングに戻る。水を1杯だけ飲んで、僕は本とノートを広げて勉強を始めた。


 勉強といっても、数学や古典じゃない。


 “魔法”だ。

 実はこの本、ただの本じゃなくて“魔導書”なんだよね。


 光村家は由緒正しい魔法使いの家系で、ご先祖様は西洋で勃発した人妖大戦の英雄の1人らしい。嫁入りした母さんの家も有名な魔法使いの血を受け継いでいるとか。そんな両親の影響で、僕は物心ついたときから魔法を学んでいた。


 両親が居なくなっても、僕は魔法の勉強は続けていた。魔法に触れていると凄く落ちつく感じがするんだ。父さんと母さんと一緒にいる気分になれるからかな。


 まあそんなわけで僕は毎日魔法を勉強している。考えがまとまってくると真夜中に誰もいないところで実験したりする。科学と少し似たところがあるので、実験し、その結果をこの目でしっかり見ることは大事なことだ。


 そのためにはしっかりと魔道書を熟読し、理解する必要がある。

 ただし、むやみやたらに魔道書を読めばいい、というわけでもない。人には自分にあった魔法があって、各人の性格、性質、思考、血、気質とさまざまな観点から自分にあう魔法を導き出し、それについて徹底的に研究するのが普通だ(もちろん例外もある)。


 ちなみに僕は“なんでもできる”。いや、自慢じゃないよ、ホントに。

 僕はさっきの話で言う例外の部類に入る。魔法使いとしての血が濃かったり、魔法使いとしての素質が高いと“複数の魔術を極める”とか、“禁術指定の魔法しか扱えない”なんて人がでてくる(ごく稀に努力だけでなんとかする人もいる。一種の天才としか思えない)。僕の“なんでもできる”っていうのは例外中の例外なんだといつも思う。

 それでもあえて得意な魔法を上げるなら“氷”。「名はその人を表す」なんて言葉があるけど、まさしくその通りだと思う。


 最近は“時”の魔法を勉強してる。昔は“氷”の派生系と言われていたけど、今ではまったく別の魔法として扱われている。“氷”では時間を止めることはできても、遅れさせたり、戻したり、早めたりすることはできないからというのが理由だ。すでに実証もしてある為、真実とも言える。


 ま、僕には関係ないけどね。勉強しよ。
















 2時間ほど魔道書を読んだ後、お風呂に入り、歯も磨いてさあ寝ようという時。


「!?」


 僕の結界にナニカが接触してきた。


 結界は家を中心とした半径500mの探知結界と庭含めた敷地のみを覆う防御結界の二重構造にしている。

 だが、ナニカは探知結界にかかることなく防御結界に干渉してきた。その上防御結界を破ろうとしている。何度も妖怪や魔法使いと戦った事はあるけど、ここまで懐に潜り込んできた相手は今まで居なかった。なかなか強いと視た。


 急いで階段を上がって部屋に入り、戦闘衣に着替え、ありったけの武器や道具を持っていく。持ち切れない分は“空間”魔法の応用で身に付けた“スキマ”と名付けた空間に放り込む。


 防御結界はすでに破られており、敷地内に侵入されている。探知結界を起動させ居場所を探ると、敵は家の中に入らず庭の方に移動していた。


(誘っているね……)


 ここでとる選択肢は二つ。“痺れを切らした相手が突っ込んでくるところにカウンターを決める”か、“奇襲を仕掛ける”か。なんだけど……。


(どっちもたいして変わらない気がするなぁ)


 敵は待ちの姿勢に入っている。痺れを切らすことは無いだろうし、奇襲も通用しない。多分、僕の居場所もばれている。

 ……どうしよう?


(……よし、決めた)


 僕は行動を開始した。


短いなぁ。

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