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東方天雪記  作者: トマトしるこ
1章 古代編
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10,5話、閑話 八意永琳

1章終りとかいう嘘ついちゃいました。スイマセン。

「遅いわね……どうしたのかしら」


 シャトルの準備も終わり、雪乃をドッグで待っているけれどまだ来ない。約束の時間を5分も過ぎている。約束は守る人なんだけど……。


「八意様、もうお時間です。お乗りください」

「まだ発射まで50分あるのよ。全部の準備も終えてあとはシート座るだけ。まだ時間はあるわ。もうすこしだけ待って」

「……かしこまりました。10分後にまた伺います」


 係員を下がらせる。


 待つとは言ったものの雪乃は来ない気がしている。来ないというより、来れない、が正しいかもしれない。


 どうして?

    誰かがじゃましているから。

 どうして?

    私と雪乃を会わせたくないから。

 どうして?

    都合が悪いから。

 どうして?

    見られたくないもの、聞かれたくないものがあるから。

 じゃあそれを見た、聞いたとして雪乃はどうなる?

    消される。


 ………ありえない話ではない。都市の上層部は腐った奴ばかりだから、自分の為ならなんだってやるだろう。

 じゃあ、雪乃と私を会わせたくない理由は何?

 ………。


 一つの仮説をたてた私は近くに居たさっきの係員に訊いてみることにした。


「ちょっといい」

「なんでしょうか?」

「どうしてこんなに静かなのかしら? 全住民がシャトルに乗るならもっと騒がしくなると思わない? 放送の1つや2つあってもおかしくないのに、ね」

「………」


 そう、さっきから静かすぎる。十分なシャトルの数があるならまだしも、私達にはギリギリ乗れるかどうかわからない6機しかない。混雑するはずなのだ。私が乗るシャトルには関係者とその家族だけなので、はやくに準備は整っている。が、他はそうはいかない。係員にも言ったが騒がしくなるはずだし、ここにもシャトルがあるのだから、間違ってここに来る住民がいてもおかしくはない。


 つまり、住民は乗っていない。或いは、一部の住民しか乗っていない。


「何か言ったらどうなの?」

「……失礼します」

「なっ!?」


 いきなり係員が襲いかかって来た。いきなりの事で反応できず抑えられてしまう。霊力を込めた掌底を叩きこもうとした時、首にスタンガンを押しつけられた。


 バツン!!


「ッ!?」


 電撃によって私の意識は刈り取られた。
















「う……」


 目を覚ますとそこはシャトルの中にある私の部屋だった。私が書いた本や、綴った図鑑、研究資料などが並んでいたのですぐに分かった。窓の外は無限の黒い海――宇宙が広がっている。


 え? シャトルの中? 宇宙?

 ………雪乃は?


 窓に飛びついた私が見たものは――


「い……やぁ………」


 爆発している都市だった。


「いやあああああああああああああああああああっ!!」





















「永琳どうしたの?」

「え、ああ、ごめんなさい。昔を思い出していたの」

「光村雪乃ってやつのこと?」

「………ええ」

「永琳が惚れるなんて、どんな男だったのかしら? でももう死んじゃったんでしょ?」

「………ええ」

「いまでも好き?」

「当たり前じゃない。彼以外なんて考えられないもの」

「うわぁ……重症」

「薬師が病にかかってるなんてシャレにならないわね」

「自分で言ってるし」

「私も女よ。恋するくらいいいじゃない」

「永琳にそこまで言わせるなんて……余計会ってみたくなるわね」

「そうね、本当は生きていて、また会えたらいいわね」


 穢れはあっても、美しい星を見ながら私と姫様はもう少しだけ語り合った。


こ、今度こそ2章ですよ?

ほんとだよ?

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