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東方天雪記  作者: トマトしるこ
序章
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1話、夏休みのある日のこと

超駄文で申し訳ないありません……

それでも見てくださる方々に少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

ご意見、ご感想、ご質問待っています。



それでは、「東方天雪記」開幕です!!


「あー、暇だなー」


 僕、光村雪乃(コウムラユキノ)はとても暇だった。

 定期テストも終わって、いまは夏休みだ。高校2年生なので受験も無いし、部活動にも所属して無いから部活も無い。宿題は2日目で終わらせたし、夜にならないと“アレ”の練習はできないし。

暇だなー。


「うーん。誰かと遊ぼうかなー?」


 携帯の電話帳を開いて今遊べそうな人を探す。登録してる人なんて数えるほどしか居ないんだけどね。


「あ」


 僕の目に留まったのは幼馴染の「東風谷早苗コチヤサナエ」の文字。早苗ちゃんも部活は入ってないし、大丈夫かもしれない。


「よし、掛けてみよう」


 携帯に掛けてみたけれど、早苗ちゃんは出なかった。

 仕方ないので、家の神社の方に掛けてみると今度は出た。


『はい、東風谷です』

「早苗ちゃん? 雪乃だけど」

『あ、雪乃君ですか。終業式ぶりですね』

「そうだね。さっき携帯に掛けたんだけどなにかあったの? 早苗ちゃんが電話に出ないなんてめずらしいよね」

『え! そうだったんですか! ご、ごめんなさいっ! ちょっと大事な話をしていましたので…』

「あ、そうだったんだ。じゃあ悪いことしたなぁ」

『いえいえ、気にしないでください。ところで、何かご用があって電話したんじゃないんですか?』

「うん、そうなんだけどさ。大事な話の邪魔しちゃ悪いし…」

『私のことは気になさらないで話してください。他でもない雪乃君からのお話なんですから!』

「早苗ちゃんの中の僕はなんなのさ……。じゃあ言うけど呆れたりしないでよ、話してって言ったのは早苗ちゃんだからね? ちょっと暇で仕方なくてさ、一緒に遊ぼうかなと思って電話したんだけど、今は無理みたいだからまた今度でも『い、いまから二人っきりでお出かけですね!? ちょ、ちょっとまっでください!!』―――って、切られちゃったよ」


 どうしようかとしばらく悩むこと数分。


 着信音が鳴ったので電話に出る。


「はい、光む『お待たせしました!!』わあっ! びっくりした……そんなに待ってないよ――って大丈夫? なんか息が荒いよ?」

『心配ご無用です、それよりもデートの話です!!』

「デート? あ、遊ぼうって話ね。大丈夫なの?」

『大丈夫です、雪乃君のために勝ち取ってきました!!』

「……なんか後ろから叫び声が聞こえるけど」

『気にしたら負けですよ。雪乃君』


 向こう側から『早苗がっ、早苗が不良になってしまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』とか聞こえてくるのを気にするなって言うのは無理があるよ……。


「いろいろとゴメンね。折角都合付けてくれたんだし、どこに行こうか?」

『雪乃君が行く所ならどこへでも行きますっ!!』

「あ、ありがとう。じゃあ少し買い物に付き合ってもらってもいいかな。そのあとはブラブラするってことでいい?」

『はいっ! いまから準備しますから待っててください!』

「うん。30分後に駅前でいいかな?」

『分かりました。すぐに準備しますね!』

「いや、ゆっくりで―――ってまた切られちゃった」


 早苗ちゃん昔はあんまり話す方じゃなかったけど、中学生になったあたりから元気になったんだっけ。今の方がいいんだけどもうちょっと人の話を聞いた方がいいと思うんだ。


「まあいいや。僕も準備しよ」
















 僕は5分前に待ち合わせの駅前に着いた。早苗ちゃんはまだ来ていないみたいだ。ぼーっとするのも時間の無駄だと思って鞄から文庫本を出して読むことにした。


 1時間後


「お、おまたせしました……ぐすっ」


 早苗ちゃんが来た。のはいいけど今にも泣きそうな顔をしている。

 なんか周りからの視線が痛いよ! 何もしてないのに僕が悪いことになってるし! と、とりあえず泣きやんでもらわないと……僕の社会的ステータスが危ない! 近所のおばちゃん達からまた笑われちゃうよ!


「いや、そんなに待ってないから! 僕もさっき来たばかりだから! とりあえず泣かないでくれるかな!?」

「だって、せっかく雪乃君からデートのお誘いだったのに……私とした事が、遅れてしまうなんてっ! うわーーん!!」

「大丈夫だって!! 気にしないでいいから、ね! ほら、はやく行こうよ!!」


 彼女の天然と真面目が混ざり合った性格だと、このまま放っておくとさらにひどいことになるのは分かっているので、早苗ちゃんの手を引いて歩きだした。すると急に静かになったので今のうちにと思い駅前から離れた。

 ヤジの人たちから羨ましそうな視線と妬ましそうな視線を向けられたのはなんだったんだろう?



「雪乃君、これ似合うと思うので是非着てください!」

「それスカートだよ! 僕これでも男だから! 店員さんもカメラ構えてないで止めてください!」



「もうちょっと右……かな? うん、そこそこ」

「や、やりましたよ雪乃君! 私UFOキャッチャーで何か捕ったの始めてです!」

「アームが届かない所に置いてあるものを狙ってたらそりゃ捕れないよね」



「ねえ早苗ちゃん。なんで1つのコップに2つのストローがついてるのかな?」

「さ、さあ~なんででしょうね~?(バイトしている友達に頼んだなんて言えません…)」



 洋服を見たり、ゲームセンターでUFOキャッチャーをしたり、洒落た喫茶店でゆったりしたりして、ここら一帯を遊びまわったりしてたらいつの間にか日が傾いていた。最初は色々あったけど楽しかった。


「今日はありがとうね。楽しかったよ」

「いえ、こちらこそありがとうございました。いろんな物を買ってくれて」

「今日1日付き合ってくれたお礼みたいなものだよ」

「1日……ですか……」

「うん?」

「なんでもないです。これありがとうございます、大事にしますね! また誘ってください」


 一瞬だけ哀しそうな顔をした後、いつも通り元気になった早苗ちゃんはそのまま帰って行った。


(僕何か悪いことしたっけ?)


 昔からずっと一緒にいるけど、最近の早苗ちゃんはさっきみたいにちょっと表情を曇らせることが増えてきた。あれは隠し事してる時の早苗ちゃんだ。何とかしたくても僕は彼女じゃないからどうしようもないし、なんとなくだけど僕が首を突っ込んじゃいけないような気がするんだよね。


(どうしても無理そうな時は僕に相談してくれるだろうし、それまで待てばいいかな)


 いつもそうだったから、今度もきっとそうなんだろう。僕はそう思う事にした。

少し寂しそうな早苗ちゃんの後ろ姿が消えるまで見続けた後、僕は家に帰った。




 次に早苗ちゃんと会うのは随分後になるとは、この時の僕は思いもしなかった。






コチーヤはしばらく出てこないので頑張ってもらいました。


それにしても、ギャグセンスの欠片もない文章に泣いたよ……

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