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アタシは人気者でいたいだけ
元気のない君の帰る姿をずっと見ていた。みえなくなるまで。
まさか、私の家のスーパーに来ているなんて思わなかった。
顔があっつい。風邪のせいではないケド、風邪のせいにしたい。
「アタシはリオが好きなの?」
口に出す。偽りのアタシ。
脳内の正直者のあたしが真相を突き止めようと必死だ。
誰々が好きとか、わかんない。
女子力とか、わかんない。
オシャレとか、わかんない。
全部全部誰かのマネでしかない、この世界はとっても狭いと思う。
もう、何が正しいとかわかんなくなる。
誰にも見られたくない本当の顔。
私はそのまま店舗三階の自分の部屋に逃げ込んだ。
顔に毒を重ね塗りして、いつまでもいつまでも、かわいいって思われたい。
髪を焼いて、いつまでもいつまでも、オシャレだねって思われたい。
欲望を太らせてでも、いつまでもいつまでも、綺麗な体だなって思われたい。
だから、アタシは今日も、ココロを潰す。
いつまでも人気者の偽物のアタシでいたいから。