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君がいて僕がいて。  作者: 弐海堂隼人
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僕が世界から置いていかれた日


「実はさ彼女つくっちゃいました~」


何でもない午後。いつもと同じ空。いつもと同じ通学路。いつもと同じ制服。いつもと違う会話。

その時、僕はどんな顔をしていたんだろう?どんな感情で?どんなことを考えて?

別に彼女ができたと聞いても彼女がほしいとは思わない。

ただ、僕だけ世界において行かれたような気がして、そんな気がして、そんな気がして。

でも世界は変わらない。何事もないように、いつもとおんなじように、

戦争して。政治家ができないことを言って。きれいごとを言って。騙されて騙して。喜んで悲しんで。


「しかもさ!愛梨ちゃんなんだぜ~うらやましいだろ?リオぉ~?」

「いやぁ~いってみるもんだね!これからは、俺だけのマネージャー♥なぁ~んちゃって」


ちょっとした、会話が心の隙間に入り込んで。刺さって。傷ついて。

うらやましいわけじゃない。ただ、誰かのものになってしまった。

そう考えると、昨日と違う。明日はどうやってマネージャ-に話しかければいいのかわからない。

どこまで、こいつが彼女に話しかけるのをどこまで、許してくれるのだろうか?


「ん~?どうした、リオ?ショックだった?もしかして愛梨ちゃん好きだったりした?」


嫌いと言えば嘘になる。好きだった。恋愛感情ではなく、誰のものでもないマネージャーのことが。

でも、物事はコロコロ変わる。この世界が終わるまでたぶんずっと。昨日のキミはもうどこにもいない。


「いいや、別に好きじゃないよ。安心しろよ。蓮。」


僕は嘘つきと言われてしまうだろうか。蓮は勘が鋭くないから、大丈夫だよな。

それに僕が言わなければいい。彼女に、かかわらなければいい。


「あ、そうだ。明日から、愛梨と帰るからごめん!!誰か別の人と帰ってくんない?」


酷いもんだな。この世界はすぐ物事を変えやがって、

小学生のころ「「一緒に帰ろ」」って言ってくれた頃が懐かしい。

だからといって、せっかく蓮にできた彼女なんだからいいか。


「ああ、わかった。」

「ホントか!!ありがと~リオ!」


さて、明日から一人か寂しいもんだな。孤独とは、こうゆうことか。


「んじゃ!また、明日な~!」

「学校でな。」


家が近いから、遊ぶ時も宿題するのも一緒にやってたのにな。ほんとに世界において行かれた気分だ。


「ただいま。」

「おかえりなさぁ~い。」「おかえり。」


家に帰ったら、まず夕飯を作らないといけない。親は夜中まで家に帰ってこない。

僕しか、いないならカップラーメンでいいけど、小6の弟と小2の妹がいるから、そうゆうこともできない。今日は、何を作ってあげようかな。希望でも聞くか。


「今日夕飯なにがいい?」

「ん~とねぇハンバーグたべたーい。」「なんでもいいよ。」


ハンバーグは無理だな。肉がない。でも、ほかに聞くのもなあ、たまにはいっか。肉かってくるか。


「んじゃ、ちょっと買い物いってくっから、おとなしくお留守番しててね。」

「うん!わかった~はる、おるすばんしてる~」「いってらっしゃい。」


かわいい妹はるちゃんと可愛げのない弟みなと。

毎日お留守番をしていて寂しくないのだろうか。2人だから孤独じゃないからか。僕は明日から孤独か。


全力ダッシュで約10分、自転車で約7分のスーパーに行くといつも以上ににごった返している。

さっさと選ばないとレジがすごいことになりそうだな。

カゴを持ってさっそく、おばちゃん達の間を切り抜けていこうとした時いきなり声をかけた奴がいた。


「あ、リオ!!」

「ああ、、。」


ミヤか、、。見た目はお馬鹿ギャル女子高校生。中身は天才秀才成績オール文句なしの女子中学生。とよばれる僕のクラスメイト。見た目とのギャップがものすごいので、先生達の間で見た目についてよく討論しているらしい、あれ?風邪で休んだんじゃないのか?なんでスーパーにいるんだ、、、。


「お前休んだのになんで、買い物に?家でちゃんと寝てろよ、、。」

「え、、だって食べ物ないし、、ここ家だよ?」


熱でバカにでもなったんだろうか、、、。見た目が馬鹿っぽいけど成績だけはよかったのにな、、。


「スーパーの名前知ってるよね?」

「ああ、、。」


「superなスーパタカオ」だろ、、ネーミングセンス0じゃないか、、タカオ、、、!!こいつの名字、高尾だ、、ココのスーパーの娘か、、知らなかった、、。


「いやぁ~うちのスーパーに、リオ来てたんだ~サービスしちゃお☆何買いに来た?」

「えっと、、ミンチ肉、、だけど。」


にこっり笑いながらミヤはミンチ肉のパックを持ってきた、、990円!!高い高いぞこれ、、。


「ミヤ、、これちょっと高い、、。」

「でしょうね、だから☆」


値札の上からサインペンでキュっキュっとミヤは何かを描いた、、。


「これミヤのサインだから~「-300」っとこれでなんと!!690円で買えるよ~ん。」


なんか、、すごいな、、スーパーの娘。690円高いけどまあ、いっか、、。300円分安いし、、。


「ありがと。」

「どーいたしましてえ~。そういやリオ顔色悪いけど、どうかした?」

「いやべつに、、。」

「なら、いいや!!これからもうちのスーパーに来てね☆」

「ああ。」


やっぱ、言った方が楽なのだろうか、孤独なのも言えば楽にでもなるのか、、。










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