異世界の理不尽
鬼姫の漣ちゃんをどんなヒロインにしようか悩んでいます!
もし、誰よりも強い力を持っていて、誰よりも優れた知識を美貌を持っていたとしたら誰もが喜びに感じるのだろうか。
人が羨むその力を手に入れたいと思うだろうか。
私はそうは思わない。
それは全てを手に入れた私だからこそ言える言葉なのだろう。
でも、私はこんな力など欲しくはない。この身を全てを賭けてもいい、だから私に世界で一番の力を下さい。
美貌も知識も強大な力も全てをあげるから……
だから…
だから私に…
私に…○○を下さい。
こんにちは。私は漣。世間でいうと人外の化け物の女の子です。
私は古から生きてきた誇り高き鬼の一族の末裔なの。
現代からしてみれば頭が狂っているって評価されちゃうと思うけど本当なの。
もう何日経っているかな?私の唯一の肉親であったお父さんが亡くなって、異世界にきたのは。
分家の人もいたけど、あの人達は私の一族じゃない。混ざりものの欲深き人間でしかない。本家である私の血と力、財産にしか興味のない人達だけだ。
だから私は家を出た。
古から護ってきた始祖の血を固めた玉の首飾りだけを持って聖なる泉がある山を超えて私は泉に身を投げたのだ。
別に苦しくはなかった。怖くも何とも。ただ、寂しかった。もう、私と同族がいないんだっておもったから。
だからこのまま存在ごと消えてもいいなんて今思えば悲劇のお姫様を気取っていたと思う。
で、気づいた人もいるかもしれないけど、私は生きていて、しかも異世界の牢屋に首と両足を鎖で繋がれて監禁されています。
理由は簡単。
この世界にも鬼がいて、人間にとって恐ろしい化け物なんだそうだ。
でも、私達鬼は強大な魔力?というものがあるらしく、私達の世界では妖力と呼んでいるが、その力を利用しているらしい。
私が監禁されている牢屋には魔法陣らしきものが床に描かれており、鎖を介して私の力を奪っているようなのだ。
おかげで毎日が身体がだるく、身体が動かせない状態なのだ。
食事は固いパンらしき物と水だけ。おかげでひどい栄養失調だ。
この分だと遅からず私は衰弱して死んでしまうだろう。
こんなでは家にいても同じだ。でも叶うことなら同族に会ってみたかった。
あぁ、今日も苦しいな。