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「頼むからクビにしてくれ!」と言いながら地獄の門を守っていたら、いつの間にか【三界の唯一神】として崇められていた件  作者: 蒼井テンマ
第3章【学園潜入編】

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第22話:魔力ゼロの少女、あるいは「深淵の指導」

……いた! ついに見つけたぞ!


(なんなの、この学園のレベルは! 教官から生徒まで、僕がちょっと水晶に触っただけで『神の再来だ』とか言って跪いちゃって……。

 でも、あの子だけは違う。訓練場の隅っこで、一本の木刀を抱えて俯いているあの子……。

 魔力測定の結果は『ゼロ』。そう、彼女こそ僕が求めていた『真の同志』、Fランクの中のFランク、シルフィちゃんだ!)


 僕は歓喜に震えていた。

 彼女と一緒にいれば、僕も「やっぱり魔力なんて無いんだ」という空気に染まれるはずだ。

 僕は度を越して歪んだ眼鏡をクイッと押し上げ、威圧感を与えないよう、精一杯の「優しい微笑み」を浮かべて彼女に近づいた。


(よし、まずは優しく声をかけて、無能仲間として親睦を深めよう!)


「……君も、ゼロ、なんだね(※訳:僕も同じだよ! 一緒に落ちこぼれとして頑張ろう!)」


 だが、僕の「優しい微笑み」は、パニックと緊張で顔の筋肉が引きつった結果、**【獲物の急所を冷徹に見定める捕食者の薄笑い】**へと変貌していた。


「っ……!? あ、あ……」


 シルフィは、僕の眼鏡の奥にある「虚無の瞳」に見つめられ、蛇に睨まれた蛙のように硬直した。


(……な、何なのこの人は!?

 『ゼロなんだね』——その一言が、私の魂の奥底まで突き刺さってくる。

 まるで、私が隠していた『魔力回路の欠陥』を、一瞬でスキャンされたかのような……。

 この人、ただの特待生じゃない。立ち姿だけで、世界の重力を自分の味方につけている……っ!)


「……悲しむことはないよ。……そのままの君で、いいんだ(※訳:魔力なんて無くても、僕と一緒に目立たず生きようよ)」


 僕は彼女を元気づけようと、そっとその細い肩に手を置いた。

 「ドンマイ」という軽い励ましのつもりだった。


 しかし、僕の手が触れた瞬間。

 僕の指先から、彼女の「空っぽの魔力回路」を満たして余りある、高純度の神気が奔流となって流れ込んだ。


 ドクンッ!!


「……あ、ああああああああっ!!」


 シルフィの全身から、かつてないほどの黄金色のオーラが噴き出した。

 彼女の魔力ゼロは、実は「器が大きすぎて、通常の魔力では満たせなかった」だけだったのだが、僕の過剰な魔力がそこに引火。

 彼女が持っていたボロい木刀が、瞬時に神話級の輝きを放つ【神樹の剣】へと進化してしまった。


(わあああああ!? 何!?

 シルフィちゃんがスーパーサイヤ人みたいに光り出した!?

 また僕、何か変なスイッチ押しちゃった!? 怖い! 眩しいぃいい!)


 僕はパニックになり、思わず「パンッ!」と景気づけに(※実際は自分の頬を叩こうとして外した)手を叩いた。


 ――ズドォォォォォォン!!


 僕の拍手の衝撃波が、訓練場に展開されていた「対魔法障壁」を紙クズのように引き裂き、空に渦巻いていた「教育用の訓練雲」を木っ端微塵に吹き飛ばした。


「……え(※訳:拍手しただけなのに、壁が壊れた……)」


 静まり返る訓練場。

 シルフィは、自分の手に宿る圧倒的な力を凝視し、そして僕の前に膝を突いた。


「……わかりました。ゼノン様。

 貴方は、私の『空っぽの器』を否定せず、あえてそこに『真の力』を注ぎ込んでくださった。

 『そのままの君(の器)でいい』——。それは、私に『神の器としての自覚を持て』という試練だったのですね!」


(違う、違うんだってばぁああ!

 僕はただ、君と一緒にお茶を飲みながら『魔力なくて辛いねー』って愚痴りたかっただけなんだよ!)


 それを見ていたグレイ教官が、またしても涙を流して手帳にメモを取る。


「……見ろ、あの教育的指導を。

 触れるだけで生徒の潜在能力を極限まで引き出し、拍手一つで学園の古い殻(障壁)を打ち破る。

 ゼノン君……君はもはや学生ではない。この学園を、いや、この世界の教育を再定義する『至高の導師』だぁあああ!」


(……ひっ。導師!?

 また、また肩書きが増えたぁああああ!)


 僕は絶望のあまり、シルフィが覚醒させた黄金の光に当てられ、ふらふらと保健室へと逃げ出した。

 その歩みは、周囲には「未熟な弟子を導き終え、悠然と去る賢者の背中」にしか見えなかった。

今回の「勘違い」はいかがでしたか?

蒼井テンマです。


「励ましの肩ポン」が「究極のドーピング」に。

ゼノン様の「類は友を呼ぶ(※類を神に変える)」体質は、ついに学園の落ちこぼれさえも勇者候補に変えてしまいました。


さて、シルフィという「最強の弟子(自称)」を抱えてしまったゼノン様。

次回、学園の「実技対抗戦」が勃発!

ゼノン様が『僕は審判(裏方)でいいです』と言ったのが、

『お前たち全員の生死を私が判定してやる』と解釈され、戦場が地獄と化す……!?


「ゼノン様、無能仲間に裏切られるの早すぎ(笑)」と思った方は、

ぜひ【ブックマーク】と【評価】をお願いします!

皆さんの評価が、ゼノン様の「保健室への逃走」を成功させます(※たぶん無理)。

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