表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「頼むからクビにしてくれ!」と言いながら地獄の門を守っていたら、いつの間にか【三界の唯一神】として崇められていた件  作者: 蒼井テンマ
第3章【学園潜入編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/26

第21話:潜入、最底辺学園。あるいは「伝説の転校生」

……よし。完璧な計画だ。


(なんなの、あの豪華すぎる神殿生活は! 朝から晩まで女神様に囲まれて、一挙手一投足を『神託』だと言われて拝まれる……。

 このままじゃストレスで僕の魂が消滅しちゃうよ!

 だから僕は、主神アストライアに『ちょっと下界の様子を視察(=家出)してくる』とだけ告げて、この『落ちこぼれが集まる「Fランク」アステリア魔法学園』に、身分を隠して入学することにしたんだ!)


 僕は今、変装のために市場で買った「度の強すぎる安物の眼鏡」をかけ、お古の制服に身を包んで、学園の正門の前に立っていた。

 この眼鏡、視界がぐにゃぐにゃして気持ち悪いけど、これなら誰も僕を「世界皇帝ゼノン」だとは思うまい。


(ふふふ……。この学園は魔力測定で「F」を出した者しか入れない、いわば無能の聖域!

 ここで「やっぱり僕は無能でした」という実績を積み上げれば、きっと神々も僕を放っておいてくれるはずだ!)


 僕は鼻歌まじりに(※実際は緊張でヒクヒクしながら)、入学試験会場である訓練場へと向かった。

 最初の試験は、定番の「魔力測定」だ。


「次、ゼノン・クライン(偽名)君」


 試験官である鬼教官グレイが、鋭い目付きで僕を呼ぶ。

 目の前には、魔力を注ぐと光り輝く「測定用の水晶」が置かれていた。


(よし、ここが勝負だ。魔力を一滴も出さないように、必死にこらえよう。

 測定器が沈黙すれば、僕は晴れて『魔力ゼロの落ちこぼれ』として学園生活をスタートできる!)


 僕は震える指先を、そっと水晶に触れさせた。

 「魔力、出るな。出るなよ……!」と念じながら。


 ところが。

 僕が魔力を「出さないように抑え込んだ」エネルギーが、逆に水晶の内部で超高密度の「虚無」を形成してしまった。

 

 パキィィィィィィン!!


 水晶が光るどころか、その周囲の空間ごと真っ黒な闇に飲み込まれ、測定器が粉々に砕け散った。


「……え(※訳:あ、壊しちゃった。僕の触り方が悪かったのかな?)」


 周囲の受験生が、そしてグレイ教官が、凍りついたように静まり返った。


「……なっ!? 測定器が、光ることすら許されず、存在を消されただと……!?」


 グレイ教官が、ガタガタと震えながら僕の眼鏡(※実は真理を暴く聖遺物だった)を見つめた。


(……この男、何者だ?

 今の動作……魔力を『出さなかった』のではない。

 あまりに高次元な魔力を一瞬で『逆相殺』させ、測定器という概念そのものを否定したのか!?

 しかも、あのみすぼらしい眼鏡……。あれはあえて視界を歪ませ、自らの『神の眼』を封印するための拘束具か……っ!)


(ひいいっ! 教官がすっごい怖い顔でこっち見てる!

 やっぱり、備品を壊したから怒ってるんだ! 弁償だよ、絶対高額だよぉお!)


 僕はパニックになり、慌てて壊れた測定器の残骸を「無かったこと」にしようと、手でパパッと掃いた。

 その際、僕の指先から漏れた「浄化の魔力」が、砕け散った水晶を瞬時に再構築し、元の十倍の大きさと輝きを持つ「超弩級魔水晶」へと進化させてしまった。


「あ……(※訳:直った……?)」


「……バカな。破壊と創造を、まばたき一つで。

 ……そうか。この学園のレベルでは、彼を測ることすら失礼だったというのか……っ!」


 グレイ教官はその場に直立不動で敬礼した。


「ゼノン・クライン君! 貴殿の……貴殿の『底知れぬ無力(という名の全能)』、しかと見届けた!

 合格だ! 文句なしに、本学園史上……いや、全歴史上空前絶後の、特待生として迎えよう!!」


(……はい? 特待生?

 一番下のクラスに入りたかったのに、なんで一番上の扱いになってるの!?

 しかも教官、なんでそんなに嬉しそうに涙を流してるんだよぉおお!)


 僕は絶望のあまり、視界の歪む眼鏡をクイッと直した。

 その仕草が、周囲には「不敵な笑みを浮かべながら、学園のルールを書き換えた覇者の姿」にしか見えなかったのである。


「……はぁ。お腹痛い(※訳:今すぐ家に帰って寝たい)」


「——っ! 『この学園の腐敗(腹痛)を、私自らが治療してやろう』……!

 なんという崇高な志だぁあああ!!」


 僕の「お腹痛い」という悲痛な叫びは、またしても「学園改革の宣戦布告」として、全校生徒の魂に刻まれることになった。

第21話をお読みいただき、ありがとうございます。

蒼井テンマです。


「魔力を抑え込みすぎて測定器を消滅させる」

これぞ、ゼノン様の「無能になれない」呪いの第3章スタートです。


さて、特待生(という名の、全校生徒の監視対象)となってしまったゼノン様。

次回、学園で一番のいじめられっ子・シルフィを助けようとした動作が、

『伝説の極大魔法』を「ハエ叩き」のように扱っていると勘違いされ……!?


「ゼノン様、眼鏡をかけてもオーラが隠せてないね(笑)」と思った方は、

ぜひ【ブックマーク】と【評価】をお願いします!

皆さんの評価が、ゼノン様の「変装用眼鏡」の度数をさらに上げます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ