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「頼むからクビにしてくれ!」と言いながら地獄の門を守っていたら、いつの間にか【三界の唯一神】として崇められていた件  作者: 蒼井テンマ
第2章【王都編】

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第20話:主神降臨、あるいは「究極の平伏(ドゲザ)」

……あ、終わった。今度こそ、物理的に世界が終わる。


(なんなの、空が真っ二つに割れて、中から巨大な黄金の椅子に座った女の子が降りてきたんだけど!?

 『天界の主神・アストライア』だって? 『わらわの眷属を弄んだ罪、その身に刻むがよい』って……。

 いや、弄んでないよ! 彼女たちが勝手に僕のベッドで川の字になって寝てただけなんだよぉお!)


 神殿の屋上。怒髪天を突く勢いで降臨した主神アストライアは、見た目こそ愛らしい幼女だが、その身に纏う神気は大陸を消滅させるに十分な密度だった。

 彼女が小さな手を振りかざすたびに、空間がひび割れ、次元の彼方から「破滅の雷」が僕の頭上に集まっていく。


(ひ、ひいいいいいっ! ごめんなさい! 本当にごめんなさい!

 僕が悪かったです! 始祖とか皇帝とか、全部冗談なんです!

 今すぐ土下座して謝るから、命だけは助けてぇええ!)


 僕は極限の恐怖により、反射的にその場に膝を突き、額を地面に擦りつける「究極の土下座ドゲザ」を敢行しようとした。

 一刻も早く、深々と頭を下げて、戦意がないことを示さなければならない。


 だが、パニック状態の僕の身体能力は、本人の制御を完全に離れていた。

 「神速で膝を突く」という動作が、足元の地面に凄まじい衝撃波を伝え、さらには僕の「死にたくない」という膨大な魔力が、土下座の姿勢をとる瞬間に**【全方位・因果律崩壊衝撃ワールド・エンド・インパクト】**へと変換された。


 ドォォォォォォォォォォン!!


 僕が地面に額をつけた瞬間、王宮の屋上を中心に、重力の法則が反転した。

 空に向かって放たれた「土下座の余波」は、アストライアが放とうとした破滅の雷を飲み込み、そのまま彼女が座っていた黄金の椅子ごと、神界の主神を「物理的なお辞儀」の勢いで押しつぶした。


「な、……な……っ!? なんという……術式なのじゃ……っ!?」


 アストライアは、僕の土下座による風圧だけで地面にめり込み、僕と同じ「伏せ」の姿勢を強制されていた。

 彼女の目には、僕の土下座が**【この世のあらゆる高位存在を、強制的に大地へと帰伏させる、始祖の絶対法】**に見えていたのだ。


(……え? あれ? 顔が上げられない。

 あまりの恐怖で、地面に顔が張り付いて離れないんだけど……!)


 僕は涙目になりながら、地面に顔を押し付けたままプルプルと震えていた。

 それが、周囲には「勝利を確信しながら、大地の鼓動を聴いている覇者の姿」に見えた。


「……信じられない。主神アストライア様を、ただの『一礼』で完封された……」


 解説役のイヴが、震える声で感嘆を漏らす。


「あの姿勢……。ただ頭を下げているのではない。

 『お前が立っている大地すら、私の支配下にある』と、物理的な質量を持って分からせているのだ。

 あれこそが、失われた古代武術の極致【天祖地滅礼】……っ!」


(違う! ただの謝罪! 誠心誠意の謝罪なんだってばぁああ!)


 アストライアは、地面にめり込んだまま、僕のあまりに濃密な「震え(※魔力放射)」に当てられ、ついに心がポッキリと折れた。


「……わ、わらわの負けじゃ。

 数万年かけて練り上げた神威を、ただの『礼』で踏み倒されるとは……。

 ゼノン……貴様こそが、真の……真の創造主であったか」


「……あ、あー。あー……(※訳:もう……いいから、起きて……)」


 僕は力を振り絞り、ようやく地面から顔を剥がして、アストライアの方へ手を伸ばした。

 「怪我はない?」と聞こうとした優しさからの行動だった。

 だが、その指先から漏れた魔力が、アストライアの神核に「主従の刻印」として勝手に刻み込まれた。


「——っ! 貴様、わらわを……わらわを『孫』として扱うというのか!?

 『これからはわらわが、お主の身の回りの世話(※神界の管理)をしてやる』と……!?

 ……わかった。認めよう。今日から、このアストライア、貴様を『おじい様』と仰ぎ、三界の秩序を守る盾とならん!!」


(……はい? おじい様?

 僕、まだ二十代前半なんだけど!?

 え、神界のトップが僕の孫になったの? どういうことぉおお!?)


 こうして、二等兵ゼノン・ギリアムは。

 最強の謝罪をブチかますことで、人、魔、神の三界すべてを掌中に収める**【全知全能のおじい様(※二十代)】**へと至ったのである。


「……はぁ。……もう、どこでもいいから寝かせて(※切実な本音)」


「はっ! 『世界を我が寝床にする』との御命!

 直ちに全世界の領土を、ゼノン様の『寝室』として統合いたします!!」


 クラリスたちの歓喜の叫びが、虹のかかった王都の空に、どこまでも、どこまでも響き渡るのだった。

第2章【王都編】 完結です!

蒼井テンマです。


「土下座」が「神をも伏せさせる絶対法」に。

ゼノン様の「誠実な謝罪」は、ついに神界のヒエラルキーすらも物理的に破壊してしまいました。


さて、三界の頂点「おじい様」となってしまったゼノン様。

次回からの第3章は、**【隠居計画・最終段階:宇宙編(仮)】**へ突入!?

『地上に居場所がないなら、月で暮らそう』と月面へ飛び出したゼノン様が、

そこで眠っていた「星の意志」を、寝起きのくしゃみで目覚めさせてしまい……!?


「ゼノン様、ついに家族構成まで神話級になったね(笑)」と思った方は、

ぜひ【ブックマーク】と【評価】をお願いします!

皆さんの「星(評価)」が、ゼノン様が次に飛ばされる「星(天体)」を決定します!

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