たぶん最適な対策
少しアイテム紹介
魔粒クリスタル
内部に魔力を貯めることができる、透明な石。含有魔力量に応じた、魔粒子を周囲に排出するため、魔力が多いほど、位置が分かりやすくなったり、つけやすくなったりする。
内部の魔力を一気に放出することはできず。クールタイムも重い。
「………知らない天井だ」
「そのセリフなかなか出てこないよ」
自分でもまさかこのセリフが出てくるとは
ともかく、ここどこだっけ?
「わたし、何してました?確か、テストをして、戦ったところまでは覚えているんですが…」
「記憶無くなる系か、まあ、お前のことは結構理解したぞ!」
自信満々にいう塾長。なんかテンションが高い気がする。
そこまで時間は経ったなさそう、それなのに体はほとんど回復していた。
「こんな回復する?どんなポーション使ったの?」
少なくとも、このレベルのポーションは10万はしそう…
後で請求されないか怖くなってきた。
「お前の課題を説明しよう」
「はい!」
自分の課題かぁ、なんだろう、後先考えないところかな、うーん
「お前の課題は24個ある。どれから説明しようかぁまず」
「え?そんなに」
「おう」
笑顔でそういう塾長、にしても流石に悲しい。
「とりあいず1番直すべき点を3つ解説しよう」
1番とは
………コテンパンに言われた。まさかこんなボロカスに言われるとは…
もっと悲しくなってきた。
だが、塾長の言ったことは本当にその通りで、とてもわかりやすかった。戦闘フォームやリスク管理など、正直かなり助けになると思う。
「あと、そうそうお前」
まだあった。かな
「ルールちょっと間違えてるぞ」
「え?いやそんなはずは…」
「いや間違えてるわけじゃないか、魔物とか、アイテムとかについて説明なかったから。」
あぁあれか、
「魔物はともかく、ちょっと、アイテムのこと舐めてるだろ?」
「…はい」
「学校側が、わざわざそこまで意味のないルールを記載したりしないだろう。確実に戦略に組み込める。」
「アイテムの密集地なんて、そこまで強くない私には無縁かなと思いまして」
「そんなことはないぞ。戦闘用アイテムの密集地は、Aクラス、クラスCクラスのエリアの近くにある。」
「Aクラスのエリアが近くにあるんでしょう?」
「だからこそだよ。Aクラスは強い。わざわざ戦闘用のアイテムの密集地になんて行きはしない。もしあったとしてもわざわざお前を殺すような奴はそういないだろう。」
確かに、アイテムの密集地には、超強いアイテム!!みたいなものはないそうだ。
「まあ、あくまで戦術だ。」
「あとそう、まだまだ時間あるし俺がとっておきの技術をレクチャーしよう。お前にぴったりのやつを」
私にぴったり?
「それは…」
「それは?」
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1週間後。
わたし達生徒は、巨大な船に乗っていた。
試験会場のティファル島に向かっているようで。
ティファル島とは魔物が生息する島だ。もちろん魔物の処理なんてされていない。だが、私たちCランクのスタートの地点の魔物は、比較的穏やか。一応ということで、塾長にティファルの警戒すべき魔物を教えてもらったし、
あとは、どうやって立ち回ろうか…
そう考えていると、
「こんにちは」
話しかけてきた。雪さんが、雪さんが?!?
「ここここんにちは」
「初対面と同じ反応なのね」
彼女の少し口角が上がった?なぜに?
その様子に、少し気が緩んだ
「どういう心目標で挑むつもり?」
「目標ですか」
目標か、前までは難しい質問だった、でも昨日の練習をしたからか、すぐ答えることができた。
「ずばり、うまく単位になるぐらいクリスタルに貯めたまま、時間まで粘って、勝ち逃げすることです!」
自分の目標、小物すぎないか
「塾長の面影が」
「たしかに」
雪さん、少し驚いている。
言われてみれば塾長の面影が見え隠れするかも。
元々私はルールを見るだけ見て深く考えてなかった。でも、ルールをうまく自分に取り入れるというのを塾長から学んだ結果
「目標がこうなったと」
「そうですね」
「とても現実主義だね」
手でぐっとマークを作った。
可愛い
いかんいかん。今はテスト前。オタ心を抑えるんだ。しかし…
とそう思っていると。いつのまにか目的についていた。
「じゃ、がんばろ」
そう言って雪さんは降りて行った。
これからも頑張ります