計画通り(ニヤリ)
後日私は集合場所に、雪さんと一緒に向かっていた。
ん?なんだこれ。
キラキラしている石のようなものが落ちているが、雪さんは見向きもせず歩いている。
「雪さん?これなんでしょうか?」
「…何を持っているの?」
「え?見えないんですか!」
どうやら本当に見えてないようだ。なんで、私にだけ見えてるんだろう。
「特定の人にのみ見える魔法?いや聞いたことがないし、意味もわからないわ。不思議ね。あなた、会った時から思っていたけど、やっぱり普通じゃないわ。その青色の瞳とか、変な髪型とか」
変な髪型……スルーしておこう。
「そうなんですか?」
「えぇそうよ。わたしは強い人以外とからみたくないの。
でも、あなたは強者というわけでもないのに、あなたと話していても全くストレスを感じないの。」
ひどいが、事実なんだよなぁ。
というか雪さんって弱い人と話すとストレス溜まるの!?
「もしかしたら、将来最強になっているかもしれないわね」
「そうですね!!」
雪さんはフフっと笑った。
そうだったら良いな。
というか、そうも言ってくれるなんて。一体なんでなんだろう。
「桃?ちゃんと覚悟は……してきてるようだな?」
「表現しずらい顔ね。顔に対して使う語句ではないが、顔がバキバキだわ。試験の時より緊張してそうじゃない?」
いやいや怖いでしょ、未知の魔物と戦うんだよ!
「そりゃそうですよ。でも、お母さんのために強くなるって覚悟を決めたんですから、顔がバキバキにもなりますよ。」
「気持ち悪い語句」
パルトのシンプルな罵倒が入る。
最近の桃の成長はすごい。
特に精神面では、もともと強かったんだろう。こんな不安定な場面でも、ちゃんと戦おうという覚悟ができている。
すごいことだ。間違いなく、この戦いの注目ポイントの一つだ。
そして、この戦いの注目ポイントはもう一つある。
正直楽しみな気持ちがある。
パルトはどんな戦い方をするのか、それも見たかった。
実力を出さないか、応じないかとも思ったが、どうやらそこまで隠したいものでもないのかすぐ応じてくれた。
「楽しみか?」
「正直。楽しみ」
無表情で頷いた。
「え、えぇそうなんだ。どんなところが楽しみ?」
「相手、人的特徴が多数あるって噂じゃん。
………ふふっ。楽しみ。」
「コワ」
シンプルに恐怖を感じているようだ。敵と味方に。
歩いているうちに、森の奥地に辿り着いた。
仙煙の盆地。厄介生物が多い危険な地域。
「……おっかしいな、ここら辺に生息してるって情報のはずだが、」
「間違ってたんじゃないですか?」
ここ最近で最もウキウキな声でそう言う桃。
アルジェーンが直接出向いてくれたみたいだし、誤った情報のはずはないんだが。もしかして、龍って意外と人気ないのかな?
俺の魔力を感じ取った?いや、今回は特に気を配っているし…
「うーむ、あ、そうだ、もしここまできてなんもなかったら、俺と3対1でバトル…」
ファッ
不思議な音が鳴った。気づけば俺は空中に吹っ飛ばされていた。
おっと、なかなかに不思議な魔法を使うな。
そして、相手は結界を展開した。
結界?
古っっっる
こんな極古魔法を使われるとは、ということはまさかさっきのも、
こいつ、何年前の魔物だ?
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やばい。やばくないか?だって塾長飛ばされちゃったよ!?しかも、領域のようなもので隔離されてる!?どうしようどうしよ…
「落ち着いて。」
明らかにテンパっている私にそう雪さんは助言してくれた。
焦っても何も良いことはない。その通りだ、冷静に、
敵の姿は、…狐のようなもの?今、魔力をチャージしているようだ。
その様子を見て、なんとか理性が戻ってきた。が、チャージが終わったのか、
目がぱっと光る。今度は敵が攻撃を仕掛けてきた!
お札?のようなものが大量に飛んできた。
どれもこれも、みたことがない魔法だ。
わからない、敵の攻撃パターンが、
ここにきて、さらに焦ってきた。
「雪さん。足手纏いを庇ってたら足元すくわれるよ」
くっ!!だがその通りだ。
切り替える。しっかり覚悟を決めたんだ。アルティメット塾に通うと。塾長について行くと!だから!!
敵の攻撃をしっかり見る。防げるかわからない。だから避ける!!
私は前へ突っ走っり、お札密度の低い空いているところへ。感覚による行動だっだが、正しかった。
後ろでお札の効果が発動したのか、光がまった。
そして、お札が次々と光の線のようなものにつながった。
光はまるで蜘蛛の巣のように、雪さんとパルトを捉えた。
雪さんたちは、抜け出せて…ない
「魔力に反応して意図が強くなる仕組みのよう。どうやら無理みたいだけど、頑張って雪、桃。」
……………………
…まずい、が、ここまできたら、やるしかない!!!
勝てるとは思えない。だけどなんとか時間稼ぎをする!!
そうして、雪さんに信頼の熱い目線を送ってから、私は敵と向かい合った。
影炎は空中に魔法陣を展開した。……これもみたことない魔法だ。
……いや、みたことがある!
なぜかわからないが、私は、この技に強烈なデジャブを感じた。
上から柱が降ってくる!そんな予感がした。
そして、その柱は!!
「魔力に反応する!」
私はあえて何もしなかった。この柱の前では魔力を使うと私が多大なダメージを負ってしまうから。
だから、わたしはあの時と同じように!相手が面食らっている隙に!
魔力を使わず、この身で
特攻する!!
「とぉりゃぁぁぁぁ!!!」
敵もそれを察知したのか、私の攻撃をギリギリでかわして、後ろ足で蹴った!
私は、柱に叩きつけられた。
そして気づいた時には柱はもうなくなっていた。
影炎の目がまた光る!
そう、影炎はすでに魔法の攻撃を開始していたのだ。
まずい!!
咄嗟の判断で、自分の炎でスライディングした。この黒い札は絶対に喰らってはいけない、そんな気がしたから。
敵の攻撃は終わらない。初動の威力を少しでも落とすと当たってしまう!!
だが順調によけれ…
「が!?」
手の強烈な痛みに気づいてバランスを崩す。
いや手だけではない。炎で滑ったから、皮膚はもうぐちゃぐちゃになっていた。
また木に衝突したがなんとか猛攻を絶えぬくことができた。しかし、
敵は次の攻撃の準備を始めていた。
上から黒い札が大量に降ってきた。
「あぁ」
これは、終わり、か。
雪さんが助けてくれると期待して、目線を送ったが、
黒い札はしっかりと私に命中した。
……え?
視界が晴れた時、私の意識があったのも驚きだが……
影炎は、地面に叩きつけられていた。
そして、パルトのツルのようなものにがっつり固定されていた。
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その隙を逃さず、私は光の線に鋼を付与し、
かち割って脱出した。
そして、パルトがとらえている隙に鋼の針を大量に放ってやった。
ぐさっ!!と複数の針が刺さった。
影炎は怯んだが、
すぐにひるがえし大量の黒札を放った。
狙いはパトラ。相当怒りを買っているようだ。
なにせ針の刺さったままだから
「使い回し。ネタ切れかな?」
そう小馬鹿にしたて、なんとその場で全て避けてみせた。一枚も、防ぐことすらなく。
魔法を発動しているようには全く見えなかった。
これは好奇。
その隙を逃さず。ちゃんと食らわせる。敵が面食らっている隙に、
「蜘蛛の巣返し。」
鋼の針を急速に膨張させる。もちろん奴に刺さったまま。
前やられたのと同じように、宙に待った的な札を利用し、蜘蛛の巣型の鋼を作って固定した。
「やるじゃん」
奴は抜け出そうとしていたがもう遅い。
なぜなら、
パルトはすでに、ナイフを勢いよく投げていたから。
ナイフは敵の"目"に突き刺さった。




