急参戦
「なんで金欠なのに行ったんですか?」
純粋な目でまた桃が刺してきた。
うーむ。難しい。
「行きたくなってんだよ気分。」
適当に言っておく。
「適当に言いましたね?」
ヤベ。雪にはバレバレだ。
何かあると睨んでいるようだ。
仕方ない。
「実は物騒な奴がいてね。ちょっと様子見してた」
「どんな奴ですか?」
「ピースフルの幹部の1人でちょっと前に戦いになったよ。ま、これ以上は言わなーい。自分で探して。」
こいつらにする話でもないし、
それにしても、何をしてたんだろうか、しっかり見てたが糸口すらつかめなかった。うーむ。
まぁ俺が考えることでもないか。
「いい時間だな。授業するか。」
と。始めようとした瞬間。なんと
ピンポーン。と音がした。
え?
「塾長。税金はらってないんですか?!」
「いやいやいや払った払った。」
「……確かに塾長はいろんなところで恨み買ってそうですからね。」
そう言って武器を構える。
冷静に考えておかしくない。入塾者の可能性もあるのに。
まぁないだろうけど。
とりあいず様子を見に行くことにした。
「どのようなご用件でしょうか?」
行政機関の連中かと思ったが、パーカーだし、最も濃厚な説は無くなった。
「ここに入塾させて欲しいの。」
…え。
「嘘でしょ?」
「え?
……やっぱり辞めておこうかな。」
「やめて…いや辞めないで。」
ここで逃したら。入塾者2人。
「驚きました。そこまで捻くれてないんですね。」
本当に驚いているようだが、表情は一切変わらず真顔のままだ。
ロングヘアという奴なのだろうか、初対面の時とは髪型も服も違う。
「衣装と雰囲気が驚くほど違うな。パルト
なんで人気のマジャンがこんなところにきたんだ」
「わかってるくせに。」
検討はつくが。
「私の手の内をみやぶったから」
うむ
「以外だな。そこまで捻くれてはないんだな。」
妙に素直。
「わかってる人に虚勢を張っても無意味でしょ。
んで、できる?」
「もちろん。大歓迎。」
こんな面白そうな奴を断る理由はない。
「んじゃ。さっそく体験とやらをやらせて欲しいんだけど」
おっ、これはちょうどいいな。
「今日はちょっと特別な日でね。いま生徒全員揃ってて共同でやりたい授業があったんだ。
その様子じゃ、入塾する気満々なんだろ。
なら体験すっ飛ばして授業に入った方がいい。ここの雰囲気がなんとなくわかる。」
「勝手が効くの。いいね。私は人がたくさんある方が活躍できると思う。」
「それはよかった。」
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さて、
「これからみなさんには、殺し合いをしてもらいます。」
「……」
「なんで黙るんだ?
冗談だよ?一度行ってみたかっただけで…」
「塾長ならやりかねない」
怖いことを言う雪。
パルトは少しがっかりしている。なぜ…
「今回みんなにしてもらうのは、魔獣討伐。妖狐だったか
最近話題の影浪を討伐してもらう。」
影浪は情報がほとんどない魔獣だ。
パルトの機嫌が上がったのか雰囲気が良くなった。
真顔のままだが、
「え?これ私も入るんですか?ちょっと塾長?わたしも?え?い」
焦っている桃を差し置いて雪は質問を投げた。
「私たちに倒せますか?」
「不明。情報がないからな。」
ふふっと笑った。どうやら理解したらしい。
「んじゃ、早速行くぞ。あと桃、お前ももちろんこいよ。」
「やっぱりぃ。いきなり酷くないですか!しかも情報がほとんどない奴に挑むなんて…」
「ランクを上げるためには人を殺す覚悟だけじゃダメだよ。桃ちゃんは度胸をつけろ!
こいつらを見ろ!まるでビビってねぇぞ。
それに、生徒同士の戦いでは相手の情報はほとんどわからないぞ。」
「…確かに、そうですね。
ヨシ!!やってやります!!成り上がるために。」
怖いものは怖いようだが、覚悟を決めたみたいだ。
ちゃんと強い子で安心した。




