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第一話 

私は、名ばかりかもしれないが、一応都内の中高一貫校で教員をしている。教科は社会科である。ちなみに大竹信村おおたけのぶむらと言う。名前から分かると思うが、男だ

私は今、家から職場である学校に向かって電車に揺られている。今日は、魔の月曜日だからか分からないが、心なしかいつもの通勤時間より疲れがたまっている気がする。これも全て昨日の行いなのだろうか…。

 昨日は、アニメを見ようと思い、アラームをかけた。ただ、結局起きた時間はアラームを設定した1時間後の、朝7時の事だった。そして私はアニメを見るために、寝室のすぐ近くにある洗面台に、慌てて向かった。洗面台から水を出し、顔を洗った。続けて歯も磨いた。アニメを見ながら昨日の晩に作った、簡単なメニューを読みながら、冷凍庫から数日前ふる○と○税から届いた鮭を冷凍庫から取り出した。同時に、味噌汁を作る為の材料である味噌と人参、大根を取り出した。そして鮭をフライパンで焼いていく。だいたい両面で6分くらい焼く、だったと思う。そして鮭を皿に盛り付けていく。大根と人参を切り、沸かしていた熱湯に味噌を入れて、大根と人参を順に入れ味噌汁を作っていく。そして、その出来上がった時に私は、自分の馬鹿さ加減に驚いていた。過去の自分はどうして味噌汁の前に鮭を焼いてしまっていたのだ、白米を炊いていなかったのだ。結局鮭は、冷えてしまっているのでレンジで温めた。ご飯の方は、昨日冷凍していた白米にすることにした。鮭と同じようにレンジで温めたごはんと鮭で、サランラップで包み、外側から三角の形に整えておにぎりを作り食べた。

 約8時間後の14時、残り5話残ってしまった。夜食の買い物に行こうと思う。そのついでに、アニメをもっと楽しく見るためにお菓子などを買おうと思った。こどもかと思うかもしれないが、気分が浮かれているためと、私はまだこどもだ!千円札が8枚とクレジットカードが入っている財布をズボンのポケットに入れ、玄関に向かった。ドアを開け、いつもと同じように歩いていると、前から大きめのエコバッグを2個担いで、「えっほえっほ」と家に向かい、歩いている人が「こんにちは」と言った。この方は近隣住民の、近藤伊織こんどういおりさん4児の母である。この方の旦那の近藤正人こんどうまさととは、小学生からの友達で今だと飲み会を頻繁に行ったり雑談や世間話をするような、いわゆる親友である。彼の長男と初めて会ったのが、彼の長男が幼稚園年中くらいの4歳になった時だった。親友の子供なので私的にも、早くに会いたかったが正人の単身赴任と私の仕事の関係で出会うのが遅くなってしまった。

 正人の長男は、小学生入学後はノートも綺麗で、テストも高得点だったし、リーダーシップもあり私にとっては家族同然だったので自分のことのように嬉しかった。小学校高学年、5年生頃にガリ勉へと変化があった友達たちが、名門中学に目指すことになり、同じように名門中学を目指すようになった。正人の長男は本人の意思で受験勉強をしていたのを見ていて受かって欲しかった。結果は、合格だった。しかも特待生での合格だったのですごく嬉しかったのを覚えている。そして驚くことに大学卒業後には、起業をしている。

 正人の次男は10歳で、バルセロなの下部組織に入団し、今は、17歳で、バルセロナのトップチームでFWとMFをできる万能型としてプレーしている。成績は、40試合25G28Aを記録して注目されていて我ながら感激している。三男は中学生2年生で、今は夢である自衛隊になるために日々鍛錬をしている。四男は今小学生4年生で私と同じ社会科の教員を夢にしてくれている、嬉しい限りだがブラックな職業なので入らないでほしいという気持ちもある。喋りすぎたので話を戻そう。

「すみません。これからお買い物なのに引き止めてしまって」

「いえいえ大丈夫ですよ」

なんでこれから買い物に行く事が分かったのだろうか。あ、この紙に書いてある内容が見えたのか。いつも思うが、すごい人間観察能力があるお方だ。

「ありがとうございます。アッそうだ今、対象商品特売セールがやってますから、売り切れる前にパッパとかっさらっていった方がいいですよ。ここら辺で最近現れた人がいて、値上げのせいなのか、特売って聞いた瞬間に買って行くらしいですよ」

「あー、確かに特売の商品が結構なくなる事がありましたね」

「あ、どうぞどうぞ。すいません。止めちゃって」

「大丈夫です。では、失礼します」

伊織さんと別れてから数分間まっすぐ歩いたら目の前にスーパーが見えてきたスーパーに入りまだ特売セールの商品が残っていたので、それをカゴに綺麗に整頓しながら入れ、レジに持って行き「お願いします」と一言。そして「レジ袋を大きいのを1つお願いします」ともう一言。店員の方っていつもカゴに入れるが綺麗だなぁ、と感心しつつ、袋をもらい丁度の現金を渡す。「丁度ですね。これがレシートです。ありがとうございました。」こちらこそ。レシートを眺め、スーパーを出た。家までは、4分程。近くて助かる。家へ戻り、レジ袋に入った商品を冷蔵庫に入れる。机に置かれたパソコンの電源ボタンを押して、パソコンを覚醒させる。大丈夫、無事起動を確認。そしてメールの整理や先生として残された課題を1つずつミスがないように、入念にチェックして、午後4時頃に任務を完了した。今気付いたが昼ご飯を食べ忘れていた。椅子から立ち上がり、手を上にあげ、足先から指先まで力を入れ背伸びをした。ご飯の前にお風呂に入ろうとおもう。お風呂洗ってないじゃん…。近くに銭湯があるからたまにはそっちでもいいだろう。バックに着替えを詰め、一応タオルも詰め、一番上に財布を添えるように詰める。

 広くも狭くもない道路の端の白線が引かれた、小さい道を通りながら一歩ずつ適当に歩く。街灯に照らされる大通りでも何でもない場所に、坂の上から見える銭湯の上の煙突からモクモクと白い煙が出ている。温かい泉までもうちょっとだ、こんな思いを心にとどめ再び歩く。

 最後の直線です!ぬけぬけた大外枠からオオタケ。こんな実況が頭の中で言われている。そして、入り口に「湯」と書かれたのれんがある。昔によく行ったな〜。懐かしい。どこの温泉も雰囲気は同じな感じがある。それもまた良さだろう。のれんの切れ目というか何というかをくぐるように入る。

「こんばんはー。大人1人です。」

「はい、分かりました!」

 元気のある青年がカウンターには立っていた。アルバイトだろうか。もしかしたら後継なのかもしれない。

「石鹸やシャンプー、タオルは必要でしょうか?必要でしたらレンタルができますよ。」

「じゃあ、石鹸とシャンプーを。」

「はい、分かりました!全部で400円です!」

 これで400円とは。破格なのだろうか。いや破格だろう。ワンコインでもその5分の1のワンコインが返って来るのだ。丁度500円玉あるかな。あ、ある。

「500円でお願いします。」

「100円のお釣りとなります!」

「ありがとうございます。」

「ごゆっくりと。」

 お言葉に甘えさせてもらいます。右には「女」と一言ののれん。左には「男」と書かれてある。今の時期「LGBTQ」と言った単語が叫ばれるようになっているが、こう言った銭湯や温泉ではどうなるのだろうか。いや、これはただの「どうなるか」というだけの会議であって、けして変な意味や企みがある訳ではない。

 そして「男」と書かれた威圧的なのれんをくぐった。今はロッカーは時代の最先端だから、それを使ったら昔感がなくなるであろう、と語りかけて来るかのような木のカゴがひたすらと並んでいる。いや一応ロッカーはあるのだが。貴重品しか守らん、と言いたげな形だが、その木のカゴの目の前へと行き、誰にも盗られませんようにと願い、木のカゴに着々と入れていく。小さいタオルとレンタルしたシャンプーと石鹸を両手に、いざ温かい泉へ。温かい泉に向かう。ゆっくりと足から浸かり熱さに慣れる度に水深が深い場所へ場所へと。最後は肩まで浸かるのがお決まり。私は温かい泉には口がうるさいもんなので、見せてもらおうか温かい泉の実力とやらを。

 おぉ、おぉ、おぉ!これはすごい!肩に重く乗っていたバケモンがいなくなった気分である。ここを「癒しの泉」と名付ける。

 テルマエ・◯マエのように吸い込まれないだろうか。逆に出てきたりして。なんてくだらない事を言っている内に、段々と汗なのか水なのか全く分からない状況になっていた。そろそろ出るか。

 出入り口の傍で簡単に体を拭き、堂々と出る。過去の自分が置いた場所である木のカゴの目の前に立つ。入る前とはまた違った景色に見えるが、また来週になれば同じ景色だ。パパッと着替えバックに詰め込み、レンタルした物を返すカゴを見つけ、しばしの別れだ、と頭の中で告げ、青ののれんの後ろ姿から出た。

そして今の時間が午後7時、ゆっくりとしすぎたか。別に仕事は終わっているから、と疲れが取れきった足で軽快に歩く。帰り、TVをつけ見た。そしてアニメを見終わった時刻11時30分

 この時間って…寝なきゃじゃん!と、明日の悲しき運命に泣く泣く寝る事になった。

 そして今に至るというわけだ。電車は満員。何もない所で躓く。そうして職員室の前。一応準備する場所もあるから、そこでも準備。

 1時間目からか。しかも中1。私情を持ち込むのは良くない事だと知っているが、聞き分けもないヤツらの集合体と言っても過言ではない。すまない、聞かなかった事に。

戦いのゴングでもあるチャイムが堂々と鳴る。さぁ今回は結構まとめた感じで授業を行う必要があるから、色々持って、その後高校の授業に出なくてはならないから、その分も持って、よし行こう!

 教室の目の前に立ち、少しの深呼吸。

 では、行こう…

 え?なんかめっちゃ暗い。生徒のいたずらか。

「なんで暗いんだよ〜」

 最初の一歩など存在はしなかった。床だけでなく、教室という存在はなく、一歩を踏み出した時には「奈落」である。

「あ、ちょ…ダメだこりゃ」



 ここは…見た事のない天井。よく知らない場所。私は落ちて…待て!冷静になれ!とー言い聞かせている次の瞬間

「おぉ!目覚めたか!これが異世界人!やったぁ!」

 異世界人?なんだそれ。

 私は「君は?」酔った後の気持ち悪さを含みつつ言う。

「私はカディオ・プルオナリ・アレスト・リバイバル。カディオでいいよ。」

 英語に置き換えるとCardiopulmonary arrest revivalか。何の用語だよ。

「君の目だと…混乱状態なのかな。じゃあ、教えるね。この世界は君の世界とは違う。そう、異世界なんだよ。」

 い…せかい?

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