『誰よりも消えたがってるくせに』
この作品は、プロセカのメインストーリーを基に製作しています
「勝手に慰めようとして… 勝手に助けようとして… 勝手に同情して… 放っておいてよ!もう…もうこれ以上どうしようもないじゃない!!探しても、探しても、探しても探しても探しても!見つからなくって…また探して、違うって絶望して。Kにだって望みを置いてた。Kが私のために曲を作ってくれたから。でも結局、見つからなかった。ナイトコードであなた達に出会って、何かが少しでも見えてくると思ってた。でも、やっぱり何も変わらなかった。私がいるべき場所はここじゃないんだよね。最初から自分の願いは分かってた。『私は消えたい』。ただそれだけだから。」
そこまで言うと、私はそのままセカイを去ろうとした。すると、三人が駆け寄ってきた。
「行かないでよ!雪は今まで私たちにいろんなものを与えてくれた。私だって、曲を作り続ける活力を貰った。私は雪にまだ何も与えられていない。恩返しの一つぐらいさせてよ!」
珍しく必死な様子の奏の顔は、今にも泣きだしそうだった。すると、次は絵名が口を開いた。
「ふざけないでよ!私が何よりも欲しいものをあんたは沢山持ってる。何の才能も持たない私に比べて、あんたは才能に恵まれてる。そんなに恵まれてるあんたが『消えたい』?そんなの絶対に許さないから!」
絵名も、奏に負けず劣らず必死だ。瑞希はというと、何も口に出せないでいる。余程、私の急な豹変に驚いているのだろう。でもそれは仕方のないことだ。何故なら、私が一番驚いているからだ。私は一息ついてから、、再び口を開いた。
「…Kも、えななんも、Amiaも、」
奏、絵名、瑞希を順番に見てから、私は最後の言葉を放った。
「誰よりも消えたがってるくせに」