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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

幼馴染の愛?妹友達の変愛

作者: まっきよ

今、櫻井勇気の家には幼馴染の来栖美沙が来ている。


美沙は、ショートカットで丸い幼顔を残した、優しくて可愛い女の子であり、学校ではらクラスを問わず、人気者とされる誰隔てなく優しい女の子である。


そして、勉強やスポーツもその小さな体に反して、女子の中でもトップクラス、下手したらスポーツ系の男子まで届くような記録を体力テストで出したりする通称男子キラー。


そんな二面性を持つ優しい少女はあろうことか、このザ・平凡の櫻井勇気の隣宅および物心つく前からの幼馴染であった。


その関係は学校では羨ましがられ、やれ変われだとか家電おしえてとか、下心たれたれ、聞き辛さもとい根性なしの人づての扱いを受ける勇気は、美沙の良さを誰よりも知っている、否間近で受けている。


しかし、そんな勇気は美沙に対して多少の恐怖を抱いている。


なぜ、そこまで俺についてくるのかと。


幼馴染だからって、こんな平凡な俺にいつもついてこないで勝手に友達とか他の奴らと遊びに行けばいいというのにと勇気は思う。


そう、美沙は人気者でありながら、常に勇気のそばにいる。


幼稚園や小学生の時だって女の子のグループに行けばいいのに俺のところについてきた。


特に面白い訳でもない。勇気は友達とあまり話したがらなかっただけ、それで1人でいた時間が多いだけ。


そして、昼休みはよく寝ることが多かった。


でも、そんな勇気を美沙は笑みを浮かべて見つめる。


勇気が話しかけると相槌を打って的確にその話に返してくる。


まるで、勇気のやっていること、好きなこと、全てを共有しているかのように。


それが怖くなって、小学生の時に頬を引っ叩いたことがある。


「気持ち悪いんだよ。どっかいけよ。」と言った。


それでも美沙は涙を流しながらも、叩かれて赤くなった頬を抑えながらも、いやいやと首を横に振り、笑みを浮かべて勇気を見ていた。


そこから、勇気は美沙が何を思っているのかが分からなくなった。美沙は勇気の言うことをよく聞く。


さっきの小学生の拒絶したときを除けば、恥ずかしいことだって、女子が怖がるようなことだって平気でやった。


そう、小学生だからって、パンツを見せろと言われても普通は見せないし、殆どの女子が嫌いな虫も何もないように掴んではいっ、て渡してなんてこない。


まるで、勇気がやってほしいことをやって、褒めてもらいたい、それで認めてもらえると思っているかのように。


このままじゃ、勇気が法律に反するようないけないことだって言えばやってくれるかもしれない、そんな危ない状態、そろそろ、俺から離れてもいいんじゃないかと勇気は考えるようになった。


勇気たちはもう高校生だ。


まだ2年生で遊び放題な時期、でも勉強が少し難しい時期、もうみんな自立してる、中学のような幼さが消えた時期。


それなのに、美沙は変わらない。


美人なのにあの勇気という空気みたいな奴につきまとっている。


美沙は人気者だけれど、この一点が残念でならないと言われている。


しかし、当の本人である美沙は特に何も思わない。ただ、勇気の隣にいるのをやめない。


そして周りは、美沙が勇気に執着している理由、を勇気がヘタレであって、美沙はそれを諦めきれない悲しそうなお姫様という、勇気が悪であるという認識に変わっていった。


そんな悪感情など知ったこったない、勇気は美沙に対してどう接すればいいか考えていた。


勇気が物事を考えているときは勇気から声をかけなければ、美沙は何も喋らず勇気を笑みを浮かべて見つめるだけだ。


本当に、何が楽しいのだろうか。


勇気は優しい奴だった。クラスの目線は置いといて、勇気の一人被害として考えるだけでなく、勇気という自分の存在に何かしら美沙に引っかかっていることがあると、それを自分なりに考えているのだ。


もちろん、側からすればそんなことを聞くチャンスは小学生でも中学生でもあった。


しかし、その時は何も言わなかった。それで諦めていた。


しかし、高校生なんだから、もう少し深く聞いてみても大丈夫だろ、とヘタレなりに決心のついた勇気が美沙に口を開く。




「美沙、昼休みに屋上に行くぞ。」




そういうと、美沙は笑みを浮かべたまま、「うん。」と言った。


周りは、「ようやく進展があったか?」とか、「屋上で?いかがわしいこととかないよね?」とか、勇気からすればそういうムードも糞もなかっただろと言わんばかりの当て馬見当だった。


しかし、反発が目に見えるどうでもいい推論を勇気は水に流した。


今もなお隣で嬉しそうにしている幼馴染。お前は可愛い。


だからこそ知りたい。


どうして俺のそばにいる?


今日こそ吐かせてもらうと4時間目にやる気を出し、授業に備えた。


4限が終わって、各人弁当や学食に行って廊下もバタバタしてくる頃、勇気と美沙は人の流れに逆らって屋上へ向かう。


その際に男子たちに、「またあの男子かクソッ!」と舌打ちをされ、悪態をつかれといつもより少しひどい罵倒のようなものがあったものの、勇気は歯牙にもかけなかった。


そのまま、美沙の手を引いて、屋上に到着する。


幸い風は緩やかで何も2人を邪魔するものはない。


勇気は覚悟を決めた。


今ふさわしい場所、誰にも邪魔されない場所、逃げられない場所、正念場だと。





「美沙、俺はこれまでお前に何度でも聞いてきたはずだ。


どうして、あのように執拗に俺のそばにいる?


これで俺がお前に、はっきり言って迷惑だといえばお前はやめてくれるのかもしれない。


でも、今更だ。今更、仲良くしようだなんて奴はクラスにはいない。


俺にだって趣味や好きな音楽、食べ物くらいある。


でも、それを言わずまでも分かってくれたり、話が合うやつなんてお前しかいない。


控えめに言ってお前は最高の幼馴染だ。


だから聞きたい。何故、俺に付き纏う?」






勇気は美沙に拒絶する気はない、寧ろお前と一緒にいることは一番の理解者であるお前といることはメリットであると、否定をせずに、美沙に問いかけた。


美沙は笑みを浮かべているが、口元は動いて、否、嬉しそうに三日月型に変えて、「ありがとう。」と笑顔で返した。


しかし、勇気が欲しかったのはその返答ではない。


付き纏うということについて返答を貰いたかったが、そのあとはまるで答える気がないように口を結んでしまった。


勇気は、前と同じだ、と感じ始めたが、前とは違うやり方、則ち、を模索しようと今度はこんないじわるな言葉を投げかける。


「そうか、質問には答えてくれない。


でも、お前が前と何にも変わっちゃいない訳じゃない


っていうのはこっちも分かってるつもりだ。」


そんなことを言うと、美沙は少し驚いたように身を見開く。


しかしハッタリだと言わんばかりに笑みを浮かべて元の美沙に戻る。


しかし、勇気の言葉はこれで終わりではなかった。






「なんだ、そういう顔しちゃうのか?


そんな可愛い顔したって俺は許さない。


俺が許さないだけだ。お前の許しなんて必要ない。


あーあ、そーなのか。ならこれ見ろよ。


お前の家の電話番号だ。これを知りたがっている奴はたくさんいる。


これをばら撒いちゃおうかなー?


でも、最初の返答をきちんとしてくれれば、優しい俺はお前を許し、この電話番号をばら撒くのをやめてやる。」





そう言って携帯の連絡先の開いて見せた。


割と脅迫めいた言葉を勇気は言った。


情報というのを武器に美沙に返答を求める、プライバシーの危機をかけてたった1つの質問の返答を貰おうとしている。


そして、なされなければばら撒くという釣り合わない条件で自分の情報がばら撒かれようとしているにもかかわらず、美沙は笑みを絶やさずにこう言った。





「いいよ。勇ちゃんが何をしようとしているか分からないけど大切なことなんでしょ?


勇ちゃんが追い詰められているなら私は助けになりたい!だからいいよ。


寧ろ勇ちゃんこそそんなこと1人で抱えて、私に早く言ってくれればよかったのに。」





と、軽く、しかも勇気のためにという自分という美沙の優先順位のトップが理由に交渉が決裂してしまったことに勇気は苦虫を噛み潰したような表情になった。


完全に、クラスの奴らのちょっかいか脅し、そんないつものことの延長のように捉えられていた。


こいつは本当に自分の情報を幼馴染とはいえ、他人の俺のために笑顔で託すなんて、なんて優しくてバカなやつなんだと。


勇気は幼馴染の人の良さを実感しつつ、この状況では無用な気遣いだとそれを否定した。


そして、何もいうことがなくなったかと思えば、勇気はとんでもないことを口走っていた。






「あっそ、お前の情報なんて後でハイエナたちにくれてやる。


美沙、俺は覚悟をもってここに来ている。もちろん、死ぬ覚悟もな!」





そういうと、美沙の表情は一変、「急にどうしたの?」と心配そうな顔になった。


それを見た勇気はさらに、





「俺は本気だ。お前が何も喋ってくれないだから死ぬんだ。もしお前が俺に猶予を与えてほしいなら、お前の生まれたままの姿をここで今見せろ。」





それはすなわち、身につけているものを外せと言ったいわゆるカマかけであった。


人気のない屋上で、本当はそんなことがしたかったのかと言われるほど誰に言ったって引かれることは、勇気は分かっている。


そして、死ぬ前にお前の頑張り次第で、猶予を与える、死なないとは言わない言葉の違いに、さっきの死ぬ発言に対して真っ先に取り乱していた美沙が気づいたかどうかというと今もまだ冷静さを失っているようであった。


それを良しとした勇気は、情報ではなく恥辱による返答との釣り合いを求めた。


もちろん、相手が冷静であれば、「何が言いたいの?」ということで終わったかもしれないが、今もまだ冷静でない美沙は立て続けに、自分のせいで死ぬだとかそのための猶予だとか、服を脱げだとか頭が混乱している。


そして、その一時的に無いような頭で下した美沙の判断、それは、まず、制服のブレザーの上半身のボタンに手をかけ、ブレザーを脱いだ。


そして、シャツを脱いだ。


なぜここで勇気が止めないかというと、死ぬ勇気はなかったが、その恥辱に対して、咄嗟に目を背いてしまったら本末転倒だという多少の策に対する自尊心があったからだ。


そして、いくら綺麗だなんて言われても幼馴染の裸なんてそれこそ、幼い頃に見ていたと謎の耐性のようなものがあったからだ。


だかしかし、美沙がスカートを脱ぎ終え、あとは下着だというところで本当に下着に手を伸ばし始めると、咄嗟に勇気は、自ら美沙に近づいていって、下着に手をつける行為を止めに入った。


そして、美沙の体を覆うように抱きしめた。


そして、屋上に2つの影が倒れる。


そして、頬を染め、恥ずかしそうに自分を解放していく美沙は急に勇気に抱きしめられ、さらに頬を赤くさせる。


はっとして、その抱きしめられている行為、それは疑問につながり、「どうしたの?私の姿そんなに嫌だった?」と聞いた。


そして勇気はというと、慌てて止めに入ったが故に美沙の肌に直に触れることになった。小学生の頃とは違う体つきに思わず狼狽える。


これを側から見れば自分が覆いかぶさってて自分が悪いみたいになるからだ。


そして、離れようとすると、美沙が逆に手を掴んできて、泣きそうな声で言った。


「ねぇ?なんで死ぬなんかいったの?わだじね、さっぎのずごぐごわがっだんだがらぁ。うっ、死ぬなんで言わないでよぉぉうぇぇぇえぇぇぇんんん!」


といつもの美沙ではありえない嗚咽を漏らす姿に、勇気は罪悪感を感じた。


美沙が口を割らないと思い、こんな非人道的なことまでやって、挙句泣かせたなんて誰に話しても俺が悪い、1番冷静になるべきは俺だったと勇気は美沙に向き返り、





「ごめん、お前を傷つけた。お前のことについて俺の理解が足りなかった。


お前なりの好意ならあんな風に無言で無碍に振り払うような真似以外にもやりようはあったはずだ。


俺は幼馴染としてお前に楽しく過ごして欲しかった。


でも、依存されてる気がして、お前の考えが分からなくなった。


ごめんな、言い訳をしたくないんだが、お前みたいにエスパーじゃないから。


お前の趣味は分からないし、お前に何かしてあげている感覚がなくて。


でも、なんだか見離されたくなくてお前に無理を言ったり、面倒に付き合わせてしまった。


服を脱げっていうのも、小学生の頃にも言ったことがあった。


我ながら酷いことだけど、その時のお前はその笑った顔で恥ずかしげもなく晒してたんだ。


その時からきっと何かあるわけでもない怖さに勝手にお前を重ねてしまっていたんだと思う。


俺は最低な奴だよ。


でも、そんな奴に一生懸命自分を犠牲にしてまで付き合ってくれるようなお前に返答を求める資格なんてないよ。


だからさ、こんな事頼むのはおかしいけどさぁ、俺を見捨てないでくれっ!」





勇気は謝っている。


この惨状は自分でやった不始末。


なんだか見ていられないヘタレ、やってきたことがクズ男、やってきた言動は相手によれば犯罪とセクハラであり、もはや、言いたいことをいって結局は自分よがりですいませんでしたと言っているようなものだった。


野次馬がいたら嬉々として今の勇気を貶める。


しかし、美沙はそんな勇気を優しく見つめる。


そしてこんな言葉をかける。





「ううん、こちらこそありがとう。


勇ちゃんからこんなに真剣に謝られたのって久しぶり?それとも初めてかな?


えーとね、そのー、わたしはプンプン怒っています。


さっきから一方的に何かを言ってた。それは嬉しい。


だって、勇ちゃんから話しかけてくれたんだもん。


でも、死ぬとか私が大好きな勇ちゃんが死ぬとかもう話しかけないでとかメール削除するよとかそういう繋がりをね、消すとか関わるなって言われると、胸がきゅーってなって、私も生きてる意味がなくなっちゃうんだよ。


幼稚園よりも前から私たちは出会ってきたんだから、それを無かったことにされるとわたしには何にもなくなっちゃうんだよ。


私のすべては勇ちゃんの全て。


いついかなる時も勇ちゃんの側にいた幼馴染なんだから。


でも、私も今回ばかりは怒りました。


勇ちゃんはその怒りを反省したんだよね?だから、謝ってくれたんでしょう?


だったら、私が許さない理由はありません。」





すると、ふんわりと笑ってさっきの涙が無かったように晴れやかな顔つきになった。


そして勇気は、普段こんなに続けてものを話さない美沙に驚きつつ、取り敢えず許された、関係は変わらない、お互いがお互いにかけがえのない幼馴染だという事に安堵していたのであった。


美沙の好きに隠された性的な意味合い、ささやかな行為に気づかずに。


そして、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。


2人は昔のように手を繋いで教室に戻るのであった。


すると、教室にいたクラスの視線は美沙に、そして美沙の手を繋いでいる勇気の両者に視線が行き来したりしている。


そんな視線での訴えを受け、今更ながらに手を繋いでいる勇気は、「悪いな。」とあまり悪く思ってなさそうに、嬉しさを含んだ顔を美沙に向けると、「繋いだままで良かったのに…」と顔ごと背ける。


すると、大袈裟に怒らせたかと心配になった勇気が美沙の顔を覗こうとするが、美沙も見せまいと顔を晒し、そんなこんなの応酬がクラスの怒りの視線の中繰り広げられていた。


そして放課後を迎え、いつもとは違い、2人は手を繋いで帰ったという仲睦まじい様子が非リア充たちの目に留まり、勇気を除いた男子グループで囁かれることになるのだが。


そんなことを知らぬ2人は公園に向かった。家の近くの公園であった。


懐かしい公園。


幼稚園は必ずと言ってもいいほど毎日乗っていた低めのブランコが2人分ある。


勇気と美沙は隣同士で腰掛けた。ブランコは前に揺らして遊ぶもの。


そして、それは時間が経つと横に擦れ合うように動いていた。


互いの距離が定まらない。行ったり来たり。


それがもどかしく、けれども、風向きが変われば、近寄っても近寄れず、お互いも切なくなる。


それが悲しくてついにお互いを向いて手を伸ばす。流れは戻る。


1人が息をつく。何やら落ち着いたようだ、というよりは照れて言葉にならないでいる。


1人は、まあ1人に抱きついている。距離が縮まり留まる。


そして、「お返し。」と嬉しそうに体を絡ませてくる。体が近い。そして、唇が重なる。




「なんでこんなことしたんだ?」




勇気が冷静になって答える。




「してみたかったから。幼馴染だからいいでしょ?」




茶目っ気が見える微笑み。




「しょうがないな、今日は仲直りだから。」




と、見当違いな勇気。




「…もっと…アピール…明日から…」




ぶつぶつ言ってる美沙。聞き取れない勇気。


そんなこともあって家に着いた2人は、






「学校でね。」「うん。」「メールしよう。」「そうだな。」「頑張るから。」「?」「じゃあね。」「ああ。」





短い言葉で美沙は何かを伝え切ったようだ。


勇気は残念ながら察しが悪い。


そして、お互いに家に入るまで手を振り続けた。


あの頃に戻れた気がした。


すると家の中には妹がいた。


名前は櫻井優華、中3の受験生だ。


帰ってきた勇気に優華は、


「友達来てるから、理依ちゃん。」


「分かった。」


そう言って心得た勇気。


妹には覡理衣ちゃんという女友達がいて勇気も面識もある可愛い子だ。彼氏はいないらしいけど、勇気には懐いてる。妹の優華よりも勇気に素直な反応を示す



「あ、勇気さん。おかえりなさいませ。」




理衣ちゃんがこちらに気づいたようだ。




「久しぶりです、会いたかったんですよ。」


「久しぶりだね、おっと、じゃあ妹の優華に仲良k、」




何故か理衣ちゃんが抱きついてきて匂いを嗅んでくる。思わず驚く勇気。そして、




「勇気さん?これは女の子の匂いですね?」




となぜかシリアスな雰囲気で聞いてくるのだがそれだけではない。




「えっと、お兄さん?私無言は悲しいです。お兄さんのことこんなに好きですのに。」




そんなことを言ってくる。嫌われるよりかは好かれる方がいい。


だけど、冗談に聞こえないところがドキドキする。中学生なのに、胸とか、お尻とか、その、でるところは出ている。将来はくびれが出来そうだ。




「すいません、ちょっとした冗談です。


からかい甲斐のある人は楽しいんです。だから、そ


の、お詫びに、私のことお触りしてもいいですよ。」




どうして欲しいのか、と少し疲れてくる勇気でもあった。


優華は何故か驚いた表情で理衣ちゃんを見た後、ジト目という奴で兄である勇気のことをみる。


疲れたのも相まって、いつも通り感が鈍い勇気であった。


夕食の時間になり、優華と理衣ちゃんと母さんの4人で先に夕飯を食べる。


母さんが、来栖のお母さんと友達で、美沙の様子を事細かに電話で語っていたらしい。


母さんが勇気に尋ねると、勇気は、




「ちょっと喧嘩しちゃってな、で、あの公園に寄って仲直りした。」




詳細を隠したまま、あったことを言う勇気。


母さんは、「他に何かないの。告白したとか。」と彼女をせっつかれているみたいに聞かれた。


「美沙は人気者だからな、幼馴染として好きって言われたよ。それだけでも満足してるのにな。」


と嬉しそうに語る勇気。


その顔は上を向いていて、美沙という単語が出てきた時に、勇気を凝視する理衣ちゃんの血走ったような怖い目は見えていなかった。


そして、明日は美沙と一緒に学校に行くので、時間に余裕を持とうとタイマーをセットして寝る。


そして、1時間後くらいには規則正しい鼾が聞こえる。


そして、1人でに扉が開く訳ではなく、なぜか優華の部屋で寝ていた理衣ちゃんが目を見開きながら立っていたのだ。そして、


「お兄さんは寝ていますね。

まぁ、睡眠導入剤を少しだけ入れさせてもらいましたし、滋養強壮剤ももちろん。」


そして、理衣ちゃんは、勇気の布団に潜り込むと、勇気の体に自分の体を擦り付けていく。


それは、まるで美沙に抱きつかれたところを的確に上書きしていくように。


そこから、理衣ちゃんは勇気の下半身を見るや、「あ、反応してます。私に反応してくれたんですね。


ちょっと失礼します。」と少しテンションが上がった様子で、何やらごそごそしている。


何故か蓋つきのビーカーを持っていて、何かを保存するのだろうか。


「ふふ、お兄さんがいけないんですからね。


私という可愛い女の子がいるのに、他の女にうつつを抜かして。


だから、お兄さんを摂取しに来たんです。


お兄さんの髪の毛、DeNAが私の中に。あはっ、快感です。


優華ちゃんなんてせっかくお兄さんの妹というポジションなのにこんな美味しいところに手をつけないなんて。


まぁ、ライバルじゃないだけマシですかね。


さて、今回の共同作業は終わりました。


提供ありがとうございます。


必ず生理を起こしてみせますからね。」


そんな恐ろしいことを言って勇気の部屋を後にする理衣ちゃんなのであった。


そんなことを知らずに次の日朝、早めに起きた勇気は気だるさを感じつつ、美沙との約束を思い出す。


朝ご飯を食べて、少し早く起き過ぎたかなと美沙に逸る気持ちを抑えられず、迎えにいくことにした。





一方、美沙は、メールをしていた。


しかも一方的でかつ、勇気が起きていないことを暫く考えつかなかったのである。


ようやく気付いたのは夜中の2時過ぎ。


電気が消えてて、あれはもう寝てるなと明日に期待しようと思う美沙。


そう、私は美沙、告白は勇気くんからしてほしい。


今日せっかく仲直りして、これからのことを約束した。


明日からはもっとお喋りしてくれるようになる。


だから、私からも沢山お喋りするし、聞き手になって勇気くんを立てるのもきちんと忘れないようにしないと。


男を立てるって、なんか、その、良妻みたいかな?


エッチは出来てないけどスキンシップはもうそれは十分、十分?まだしたりないな〜。


けれども、焦ることはないのですよ。


家の近さも相まって、既に運命は私たちの味方なんです。


そう考えると自然と笑みがくっついてきます。


私が勇気好きだってことはたぶん伝わっていません。


だって、大事な時に明後日の方向を向いてるのが勇気くん。ちょっと嫌な癖。


勇気くん、貴方を異性として男性として愛してます。


だから、私を見て。お喋りして。昨日のハグじゃもう足りないから。


控えめに見せて少しグイグイで予定を進めるくらいの根力女子でいきます。それじゃ、遅いの?


じゃあどうしたらいいの?勇気くん!もう、顔見たらキスする、するもん!


純情な乙女心を露わにした1人の幼馴染は勇気くん!と書いてあるTシャツを着て寝る。


明日、朝を迎えに来てもらうことを知らずに。


そして、もう1人、泊まり寝の彼女は怪しいビーカーを胸に押し込み、下腹部をさすりながら、「貴方の理衣はここですぅ。んん、あんっ…好きですぅ〜。」と緩やかな口調で寝言をほざいていた。


ある一日は3人の思いの丈を天に、友達に、家族に知らしめた日。


隠されてた純情は幼馴染の心の隅に、隠れ歪んだ恋情はビーカーの中身と溶け合い、巡る可能性になってしまうやも。


勇気は、美沙を迎えにインターホンを鳴らす。空は快晴だった。美しい沙羅双樹に日が差し込んでいた。
































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