脱獄生活1日目 後
所内の施設案内が終わった俺たちは食堂で夜ご飯を食べ房に戻ってきた。
「ねぇねぇ。夜ご飯美味しかったね!」
相変わらず幸せそうな顔をしながら時雨が話しかけてくる。
余程気に入ったらしい。
房に戻ると俺は改めて房の中を見渡す。
部屋にはベッドが2つとトイレに手洗い場。手紙を書くための机や小さな本棚がある。他には部屋の隅に換気扇がある。
「この換気扇のプロペラとればなかに入れそうだな」
俺は換気扇のプロペラを外せそうか確認しながら呟く。
どうやらプロペラを固定している蓋を取らなければとれそうにない。
蓋は四つのネジでしっかりと固定されていたがドライバーが有れば簡単に外せそうだった。
ドライバーなら刑務作業で手に入れる事はできるだろうか。
刑務作業は明日かららしい。
日によって作業内容が変わるとか言ってたな。
明日の刑務所でドライバーがあったら持ってこよう。
そんな事を考えながら俺はカチカチの布団に潜り込む。
部屋の反対ではやはり幸せそうな寝顔をしながら時雨が寝息を立てている。
あいつの布団だけきっとふかふかなんだろう。
俺は布団の中で看守が今日案内してくれた施設を思い出す。
職員棟に運動場。際室管理等、懲罰房、作業棟、監視塔、食堂などその他諸々...
大体の施設に入るにはカードキーが必要らしい。
カードキーにはlevel1〜5まであり重要な施設ほど必要なlevelが上がっているようだった。
たまに例外があるが、その施設専用の鍵が必要だったりする程度だ。
そんな事を考えているうちに俺は深い眠りについた。
前回長くなると思って2回に分たのですが思ったより短く終わってしまいました。
次回から1日ごとに区切って投稿したいと思います。