0日目
「さぁさぁようこそ!ここが今日からお前たちが暮らすニューラグーン中立刑務所だ」
随分と楽しそうな雰囲気で紺色の制服を着こなした男が言ってくる。
この男はおそらくここの看守だろう。
そう、ここは刑務所。
俺たちは、俺こと比嘉、時雨、正志、稔の4人で義賊をやっている。
ここにいる4人の職業は全員盗賊。
数多の盗賊スキルを持っていて腕前は盗賊職の中ではトップレベルだと世間から言われている。
俺たちは悪徳商法で金を稼ぎまくっている貴族などの家に侵入、金品などを盗み貧しい人や国などに寄付をしていた。
しかしこんな行いも決して褒められる行いではない。
いくら相手が悪貴族だとしても犯罪には変わりない。
単なる自己満に過ぎないのだ。
やがて警察が俺たちを大量の賞金をかけられた挙句、逮捕され...
判決は無期懲役。
つまり今日から死ぬまで俺たちはここで暮らしていかなければならないのだ。
「でっけぇなぁ...」
ついつい言葉が漏れてしまう。
それほどこの建物は立派だった。
噂ではこの刑務所が建てられて以来1人も脱獄者が出ていないらしい。
まぁそんな話なんて単なる噂に過ぎないだろう。
「やっぱり俺たち捕まっちゃったんだなぁ。所詮は警察。余裕だと思ったんだけどなぁ。」
隣で時雨がため息まじりにそんなことを言う。
「今時の警察をなめられちゃ困るぜ?さて、中に入るぞ」
看守は勝ち誇った様子で言ってきた。
正直イラッときたがここはグッと我慢だ。
看守に気に入られれば後々いいことがあるはずだろう。
さぁ、今日から監獄生活だ。すぐにこんな監獄なんざおさらばしてやるよ。