9話、サンドイッチと焼きそばとメロンパン
「くそぉ...これ自腹なのかよ」
共通棟の一階にある購買から言われたサンドイッチと焼きそばとメロンパンを購入し、届けろと言われたところに持って行く。
ガラガラ...昇降口から出て、そのまま校舎を反時計回りに回り共通棟の裏側に来る。
「えーっと確かここら辺だったはずなんだけど...あっ、あのテーブルかな?」
目の前に白色のプラスチックでできたテーブルと椅子がある。
そこのテーブルにサンドイッチと焼きそばとメロンパンを置いて、自分の教室があるD棟へ向かう。
「はぁー、あのパンを買ったせいで今日の昼飯は水道水か...最悪、はぁー」
ため息を二度つく、すると...
「ふーん、ため息ねぇ...」
「っ!?」
いきなりどこかで聞いたことがある声が聞こえて振り返ると、僕にメロンパンを頼んだチャラそうな男がいる。
「ねぇ、ねぇ、ため息、したよね?」
「......したけど何か?」
「剛さんの目の前では絶対にするなよ?あの人は自分の周りでため息と舌打ちをされるのが一番嫌いなんだからな?」
「...分かりました、ふふっ」
『プッ、一人では暴力を振るえない小物の鑑...ウケる』
流石に自重して笑ったところは物凄い音量を下げたので相手には聞こえていなかったのだが、物凄く気が晴れた。
「さーて、戻ろ」
そう言いながら手を頭の後ろで組み、怠そうにD棟に向かって歩いて行く。
ガラガラ...
D棟の扉を開けると、目の前に霧先輩が居て話しかけてくる。
「ん、あぁ、お帰り、パンでも買ってきたの?」
「いいえ、パシられてきたんですよ〜あぁーめんどくさい そのせいで今日の昼飯は水道水になりました」
「お、おぅ...」
霧先輩が少し引いている。
「ですが、水道水意外と美味しいんですよ!水を綺麗にするための薬を水道水には入れるんですがその味がまたいいんですよ!!」
「あ、あはは...」
「おい!霧雨何話してんの?」
悠人先輩が霧先輩に話しかける。
「いや、特に...そんな事より徳宮ってどこにいる?」
聞いたことのない名前なので先輩なのだろうと予測する。
「ん?あぁ、江青?あいつは確か...あぁ、きたきた」
たったった、
「ん?俺のこと呼んだ?」
徳宮先輩が悠人先輩に話しかけている。
「うんにゃ、霧雨の方だ、それじゃあ俺はバイトのシフトが急に入っちゃったから行ってくるぜ?」
そう言いつつ悠人先輩は走ってD棟の昇降口の方に走って行く。
「あれ?あいつバイトしてたっけ?」
霧先輩が呟く。
「さぁ?始めたんじゃないの?...で、なんで俺を呼んでたのさ?」
「いや、この後輩がパシられたらしく今日の昼飯を水道水で済ませようとしてるからなんか奢ってやってくれと思ってだな?」
「.......」
コトン、コトン、コトン、
徳宮先輩は一瞬で後ろを向いて歩き出す。
「おいおいおい!逃げるな!」
ガシッ、
霧先輩が徳宮先輩の方を掴む。
「お前が奢れよ!俺もパシられて金ねーんだよ!」
徳宮先輩が後ろを向いて言い返す。
「はぁ!?俺もだしっ!」
それに霧先輩も反撃する。
「...あぁ、やっぱりDランクはパシられる運命なのか」
そう思いながら僕は先輩同士の喧嘩を聞いて居た。
「ばーーか!」
「あっ、今バカって言った!バカって言ったほうがバカなんだよこのバカ!!」
「今お前もバカって言ったよなぁ?」
「あぁん!?」
「やんのかテメェ!?」
「死ね!」
「死ね!」
「「バカバカバカバカバカバカバカバカバカ死ね死ね死ね死ね!!!!」」
『...可愛い』
「「ヒッ...」」
〜次回予告〜
「10話、 閑話 レーザーガンと毒針と糸と爆弾 」
いつになることやら