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知は力 戦略は刃 能力はオマケ  作者: かりんとう
パシリ奴隷編
27/27

27話、剛討伐計画6 -リザレクション・ウェザー-


ドゴォォォッ!!


橋本の頭をぶち抜いたなにかが後ろの壁に当たって音を立てる。


自虐願望デッド・ブースト!!50倍だ!」


日比谷は目を瞑って何かが飛んできた方向に意識を向ける。



痛覚が大きくなるってことは、たった少しの衝撃でもそれを強く感じられるということ...


つまり、風の動きでどこになにがあるのかが手に取るようにわかる!!


今オレたちがいるところの少し前に柱が二本両端にある...その奥、


ピクッ、


日比谷の肩が揺れ、叫ぶ。


「瓦礫だ!!」


「柱をぶっ壊した時に出た瓦礫を思いっきり投げてこっちに攻撃してきているッ!もう一発くるぞォォ!!」


ゴウッ!!


両手の手のひらに乗るか乗らないかぐらいの瓦礫がこっちに向かって飛んでくる。


その飛んできている方向は日比谷の方だ、


大声を出しすぎたのか、索敵要員をなるべく早く潰しておきたいのか分からないが取り敢えず飛んできている。



「グッ!!」


日比谷は目を瞑ったまま頭を横に動かす。


しかし、場所が手に取るように分かるとは言え完全に避けるのには無理がある。


痛覚を50倍にしたまま頰にほんの一筋の傷を負ってしまう。


「うぐぅぅぅッ!!!」


日比谷の頬は引きつり、物凄い顔になる。


が、そんな日比谷に神は味方しなかった。


ガガンッ!!



偶然か故意か、どちらかは分からないが飛んできた瓦礫が壁に二回跳ね返って日比谷に向かい始めたのだ!!



「危ないッ!!」


佐々木がエア・ガンを日比谷に向けて撃ち、パイプに通す。


そのパイプは流れる様な弧を描きながら瓦礫の丁度ヒビの入った所へと向かう。


バリッ!!


瓦礫が大体5個ほどの細かな瓦礫に分かれるが、そのうちの一個が日比谷の首に刺さる。


「か、かひゅ...」


変な空気が抜けるような声を出しながらそのまま前に倒れてしまう。


「わ、私と多々間川さんで特攻してくるから!!」


そう言いながら鼓矢さんが突っ込み、その後に多々間川さんが突っ込んで行った。


「あっ、そうだ清島先輩、お願いがあるのですが能力のチャージってもう出来てます?」







「ちっ、自爆女か」


何人かやったと思ったがこいつはやれてなかったか...


だが自爆される前に接近して殺せばいい話だ!!



そんなことを思いながら、体全体の強化比率を腕に集中させ始める。


「このぐらいまで強化すればあんな貧弱な女1人余裕で殺せるっ!!」


そして、自爆女をぶん殴る為に一歩踏み出した瞬間に...奴は地下鉄が通る線路の上、ホームの外に飛び降りたのだ。


しかもその瞬間、一瞬で異変に気付いた。


奴の体が浮いている事と、自分の体が引っ張られている事だ。


「なっ、ぐっ!」


今は能力の強化を腕に回しており、今の脚力はほぼ生身と言っても過言ではない。


しかも腕の強化に回しすぎたせいで今から脚力を強化しようとしてもそこまで強化はされない。


ゆうて1.5倍ぐらいだ。


「ググググッ...」


あまり強化されていない足ではそこまで踏ん張ることが出来ないし、今立っている床も溝がほとんどない綺麗な床である。


勿論この状態で強化比率の大きさを腕から脚に変え、耐えられるようになってくる。


しかし、ここで...


グサッ!


「いっ!」


「ううっ...痛いッ!」


背中になにが太い針のようなものが刺さる感触がした。


それと同時に女の悲鳴が聞こえた。




この時、鼓矢は多々間川と話していた作戦を思い出していた。




「いい?まず私がフルパワーの自爆で剛を引き寄せる、その時に多分攻撃用の強化よりも私の吸引に耐える為に足を強化すると思うの」


「うん」


「その時に、背中からこの...何だっけ?これ、アイアンサイトじゃなくて...」


「メリケンサックだよ、鼓矢ちゃん」


「そうそれ!ちょっと痛いかもだけどこれで殴って!」


そんな作戦だ、いくつかこの作戦には欠点があった。


まず一つは多々間川が吸い込まれてしまう事、


二つ目は剛が防御に転じず、そのまま突っ込んで殴られていたら終わりだという事、



しかし、剛は防御に転じ、多々間川は吸い込まれなかった。



が、


「クソッタレが!!」


左腕を強化して思いっきり薙ぎ払うように腕を動かし、多々間川を反対側の線路のところまで吹っ飛ばす。


しかし、多々間川の能力は一番多々間川自身が知っており、奴の能力の厄介さも剛は知っていた。


「なっ!しまった!!奴を殴ってしまった!!」


しかしこの瞬間に能力を発動させる多々間川ではない。


今発動させると防御される可能性の方が高いからだ。


だからこれから隙を作る。


「鼓矢ちゃん!!お願い!!」


鼓矢が爆発体制に入り、吸引力が著しく下がる。


「おっ?」


いきなり吸引がなくなったことによりバランスを崩す剛、そして、



「はぁぁぁぁ!!!〈屑の仕返しダスト・ダンス〉っ!!攻撃を返せぇぇ!!」


剛の背中に拳が現れ思いっきり、これから爆発する鼓矢に向かって押し込むように



「グッ!!なにぃぃぃ!!!」


能力を発動させた!!



ドカァァァーーンッ!!!



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