16話、遅刻時はパンをくわえると言う決まりはない
毎日投稿はもう...ダメかもです
ルーティーンが行事のせいで崩れてしまいました。
殴られた女の子はチェーンソーを下にゴトっと落としつつふらつきながら前に倒れる。
するとその女の子が倒れると同時にその子が持っていたチェーンソーが光となって消えたのだ。
「「!?」」
僕と堂理ちゃん(妹)はその不可解な現象に驚き一歩下がる。
その影響で先ほどまでチェーンソーが置いてあった場所をまじまじと僕ら2人は見つめていた。
すると、ゴホンッと咳払いの声が聞こえて堂理さん(姉)の方を見る。
その目からはとても真面目にこちらを見つめており、冗談や嘘はつきそうもない目だった。
「2人とも...あとほんの2分で遅刻だ」
「「えっ!?」」
堂理さんのその発言を聞き、少し前を思い出して行く。
家を出たのは8:50分、この時点ではまだ30分も余裕がある、堂理さんと出会ったのが9:00だから...って!?
「まだまだ時間余裕あるじゃ...あれ?」
気がつくと、堂理さん(姉)もチェーンソー女子も目の前から消えていたのである。
ガラガラ...
D棟の昇降口が開かれ、1人の少年と1人の少女が入ってくる。
その様子は汗をかき、息を切らし誰がどう見ても疲れているように見えた。
実際のところ疲れているのだが...
「はぁ、はぁ、いつも通り来たはずなのに...なんで遅刻しかけてんだ?」
その少年の言葉が全てを物語っていた。
堂理さん(姉)と別れた?後、いつも通りに進み、昨日はこのペースで間に合ったはずなのに何故か今の時間はギリギリである。
考えられるのは、気が緩んでいた、ぼーっとしているときに結構時間が経ってしまっていた、堂理さん(姉)が何かした。
この3つの何れかだ。
だいたいだがこの中だと、ぼーっとしているときに結構時間が経ってしまっていたという説と堂理さんが何かしたという説が自分的には有力である。
「ま、まぁ、栗原君...とりあえず、教室、いこ?」
そう彼女が問いかける言葉と授業が始まる合図が同時に、僕の耳に入って来た。
「うぉぉぉぉぉ!!!」
僕と堂理さん(妹)は目のすごい形相になりながら物凄い速度でD棟までの道のりを走る。
実はこの学園、校門は近いのだがそこからD棟までの道のりが馬鹿みたいに長いのだ。
それにもう、予鈴がなってしまっており後五分以内に教室に行かなければ不味いのだがまだ教室までの距離は全然ある。
こんな状況では流石にいつものろのろとしている堂理さん(妹)も隣で必死に走っている...死にそうになってるけど、
「く、栗原君!なにか出来ないの!?」
いつもの様にゆっくりとは喋らず、焦る様に僕に何かを求めてくる。
「い、いや!特になにも...いや、そうだ!」
僕はポケットの中から何かを取り出す。
その手には青色の光を放つ...
放つ...
太陽の光を反射する青色のビー玉があった。
「この家から秘密裏に持ってきたショートロケットで加速を図るんだ!」
「...栗原君、それは...」
なんだ?ショートロケットを取り出したはずなのになんか感触が丸い気がする?
キン〜コン〜!
学園の授業の開始時間を伝える本鈴が鳴る。
「それはショートロケットじゃないよ!ビー玉だよ!?ショートロケットって昔のペットボトルぐらいの大きさだよね?なんで間違えるのさ!!」
いつもの堂理さんとは比べ物にならないほどの大声をだして叫ぶ。
「..........」
カン〜コン〜!
虚しく本鈴の続きが流れる。
「「............」」
僕らはそんな事を尻目にD棟の昇降口前の扉へ着く。
そして、僕ら2人は思いっきり叫びながら右足で昇降口の扉を破壊する。
「「遅刻だぁぁぁぁぁ!!!」」
ドガァァッ!!
「ぐぇ」