14話、いばらに突っ込んだルミエーラさん
特になし
「「「「「ごちそうさまでした!!!」」」」」
「はい、ご馳走さまでした」
今、晩御飯を食べ終わってご馳走様の挨拶を済ませる。
それと同時に時計を見ると、もう9時を回っているのに気づき周りの子供達に寝るように催促する。
「分かったね?ちゃんと寝なよ〜?」
「「「「「「はーーーーーい!!」」」」」」
全員が大声で返事をして歯を磨いて寝室に入って行く。
その様子をぼーっと見ていると玄関の方向からガチャッと言う音が聞こえた気がして後ろを振り返る。
するとそこには...
「はぁー、はぁー、しくじったわね...まさかここまで鈍っているとは...」
そう呟き、息を荒くして下を向き膝に手を添えている服がボロボロなルミエーラさんがいた。
「っ!?ルミエーラさん!大丈夫ですか?まさか変な能力者に...」
「ぁ...いや、こ、これは...そう!転んだのよ!転んだだけなのよ!!」
そんな言い訳を聞きルミエーラさんの体全体を見る。
...ところどころ素肌が見え、エロい雰囲気に___って違う違う、
「あら?まさか私の体を見て...ふふっ」
そんな妖しげな笑みを浮かべルミエーラさんは体をくねらせる。
「違いますよ...いくら転んだとは言っても、そんな大量に全身を切ります?」
「...い、茨にそのまま突っ込んだのよ」
そう冷や汗を垂らしながらそっぽを向く。
「あー、はいはい、話したくないのなら仕方がないですね...取り敢えず治しますからこちらに来てください」
「はーい!」
そう元気よく言いながら僕の目の前に来る。
「...【生と死の使い手】」
キュウィィ...
ルミエーラさんの身体全体が緑の光に包まれて徐々に回復して行く。
「ありがとうね...そろそろ寝たらどうかしら?まだ9時半ぐらいだけど今日はいろいろあって疲れたでしょう?」
その気遣いに甘え、僕は歯を磨き寝室へと入って行った。
「むっ...」
目がさめる。
まだ寝ていたいと言う気持ちを押さえつけ身体を起こす。
「うぅ...ふぁぁ〜」
毎朝恒例の伸びをしてベットから起き上がり、少しふらっとする体を支えながら軽いストレッチを始める。
「グググッ...っはぁ」
ストレッチを終え、ベットのすぐそばにかけられていた制服を着て孤児院のリビングに向かう。
ガチャッ、
「あっ、ルミエーラさん、今日は7:40分に出るよ」
そう言いながらルミエーラさんの方を見るとまるでリスのように頬を膨らませた顔で返事をする。
「...ふぉう、あふぇ?ならふぉうふひへふほ?」
「...食べてから喋ってください」
そう言うとルミエーラさんは頑張って咀嚼を始める。
ムシャ、
ムシャ、
ムシャ、
ゴックン!
「...7:40ならもうとっくに過ぎているよ」
「へ?」
そんな間抜けな声を出して時計を見ると驚く。
7:30分なのだ。
「ルミエーラさん?まだ10分もあるじゃないですか?」
「いや〜、だいたいあってるでしょ...まぁ、10分もあればこれぐらい食べれるでしょう」
そう言いながら台所に向かい、1つのパンを持って来る。
「ほれ」
「ポムッ!」
そのパンを僕の目の前に持って来るや否や僕の口に向かってホットドッグ?みたいなものを突っ込んだのだ。
「ルミエーラ...さん、一瞬息ができませんでしたよ...」
そう言いながらもペロリとパンをすべて食べ、学校へ走って向かう。
「それで入ってきますね」
「いってらっしゃーい!」
ガチャッ、
なーんにもないね話すこと