10話、閑話 レーザーガンと毒針と糸と爆弾
遅れました、えぇ、盛大に遅れました!!
死んでません!
ピピピピッ!
「はい、こちらコードネーム《無能》」
とあるトイレの中でとある男が電話に出る。
『...今日あなたへ依頼が入ったわ、依頼の内容は2人のメンバーがしくじって番犬(特殊異能対策本部の事)に捕まってしまい、拷問にかけられているそうなの...それにそろそろその拷問設備に【見透す赤の瞳】が来るらしいの、そうすると誰であろうと奴に隠し事は通用しない...だから』
「そいつを殺害、又は無力化すれば良いと」
『えぇ、察しが良くて助かるわ...ちなみに奴が出現するポイントは分かっているのは1つだけ、学園付近の路地裏よ...5分以内につきなさい』
「さいですか...」
そう言って男はトイレから出て、建物からも出て路地裏に向かって走る。
横断歩道を渡り、コンビニの前を駆け抜け、目的の路地裏の近くに来る。
その途中、今まで来ていた制服を脱ぎパーカーとジーンズに着替える。
「奇襲の鉄則は上から...」
男は左手を上に振り上げ、上にある家の屋根に針のついた糸を引っ掛ける。
タッ、
糸に捕まったまま壁に立ち、そのまま前に進んで屋根の上に登る。
タッタッタッ、
登った後は屋根と屋根をジャンプで渡りながら目的地に進んで行く。
「さてと...ここなんだが、」
ピピピピッ
『コードネーム〈無能〉ターゲットが接近しているわ、奴は戦闘系の能力者じゃないけど何人か護衛を連れているはずよ』
「はいはい...で?何人ぐらい居そう?」
『確認できただけで4人はいる、けど1人はターゲットのはずだから護衛は3人だと思うわ』
「はぁー、長くなりそうだ...こんな事ならあいつらにもっとマシな言い訳して出て行くんだった」
『今、あなたのほぼ真下をいるわ!』
「オーケー!」
そう言うと、真下の路地裏に爆弾を投げた。
バァァーン!!
「【聖域】...」
1人が能力を発動させるも、爆発する。
「目標が...居ない?」
「...ふふっ、気づいたかい?そう、ここには...見透す赤の瞳はいない」
そう言って3人の男の1人が上を向いて、俺と目が合う。
「..........」
「..........」
そのまま1秒間両者ともに硬直する。
「このまま逃げさせてもらうってのは?」
「その答えぐらい察せるでしょ?」
その答えを聞き、俺はポケットに手を伸ばしレーザーガンを早撃ちした。
ピュゥゥンッ!!
その光線は凄い勢いで相手の眉間に吸い込まれるように当たる。
「「なっ...!?」」
いきなり仲間の1人が殺されたことに驚きを隠せない相手、
「い、能力発動の際の微弱電波をこの俺が感知できなかった!?」
『ん?感知系の能力か?』
そう思いつつ今度は左手を尻ポケットに伸ばし、そこから糸を取り出す。
「...これは無理そうだな」
そう俺はわざと呟き、左手を振り払うふりをして糸を壁にくっつける。
そしてそのまま糸をくっつけたまま相手に背を向けて走り出す。
「逃すと思ったのか?【限界超越】!!」
相手が黒色のオーラに包まれる。
『おっ...って事は突っ込んで来るって事!ラッキー1人もーらい』
そう思いつつまだ手に持っている糸をまた壁に向かって投げてくっつけると自動的に糸が巻き取られピンッと糸が張られる。
そこに相手が突っ込んで来る。
「っ!?あぶねぇぇ!!【聖域】!!」
パッ...
いきなり相手から黒色のオーラが消える。
しかし殆どスピードは落ちずに糸に突っ込み、左肩から脇腹にかけてごっそり分かれる。
「うっ...うぅ、オェ...」
吐き気が相手に行ったらしく、蹲ってさっきまで生きていた死体を見ないようにと目を瞑る。
「ふーん、ふーん、」
俺は今度はパーカーのポケットから透明の液体が入った1dl程の瓶の蓋を開け、そこに長さ7cmぐらいの小型ナイフを液体につける。
「いーよっ!」
俺はそのナイフを相手に向けて投げて相手にとても小さな傷口を作る。
しかし相手はそれでコロッと死んでしまった。
ピピピピッ!
『はい、何でしょう』
『人が数人死んでいる片付けてくれ』
そう行って電話を切る。
今思ったんだけどこういうのない方がいいのかな?
取り敢えず1週間以内には投稿したいと思っているよ。