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Never intersect.  作者: 青為さくら
1/1

キッカケはすべてここから…。

開いていただき、ありがとうございますm(__)m


しばらく物を書くのを辞めていたため、自分でも気づくくらいに文が粗末になっておりますが、それでも「書きたい」という欲求にかられ、書いてしまっています。

初めてのヤクザ系のネタなので、色々と至らぬ点が多いと思いますが、甘ーく踏みつけて見てやっていただけると、助かります。

稚拙で読みにくい文体かとは思いますが、初心者だと大目に見ていただけると幸いです。


それでは、よろしくお願いいたします。



人は、何故あんな人と出会ってしまったのだろうと思う時がある。


新しい環境。


辛い時に偶然出会った、救いの手。


世も知れない出会い。


人は皆それを後に良かったと思うことが多い。


だから、私もきっと。


そう、思う。


そうしてそれは―――。


ひょっとしたら、相手も同じだったりするのかもしれない。



************************************************



「次、どこ行く?」

彼、正真はそう訊いてきた。

同じ学校の同じクラスの同級生だ。

この日、映画館、ファストフード店と、彼と一緒に回った。付き合っている訳ではない。

ただ、先日この日を突然デートに誘われたのだ。


―――明日、休みだし。一緒に遊ぶのってどうよ、日永。


比較的おとなしい性格だった私が、何故そんな明るいキャラクタの生徒の目に留まったのか。ちょっと謎だったが、彼は女子生徒に人気があったし、話したことのない私が傍から見ていても明るくとっつきやすげな印象の男の子だったから、ちょっと迷ったけど、OKした。


彼は映画館を出ると、手を繋いできた。


「いいじゃん、デートだろ?俺ら」

「で…デート?」

「違うの?」


キョトンとした彼の顔が印象的だった。暖かい感情が、胸に沸き上がった。それから1週間後。

私はまた彼と休みに会った。この日はバレンタインデー。

チョコを買って、私は会った。


夕方。テーマパークを回り、歩き疲れた私は、帰り際になって彼に思い切って声をかけた。

先を歩いていた彼は振り返った。

「ん?」

「あの…これ」

私は、袋に入ったチョコを渡した。


すると。


「やったぁ!ついに日永のチョコゲット!」

彼は喜んだ。

歯を見せて飛び上がった彼に、私はぽっと頬を赤らめた。けれど、その直後、私はキョトンとした。

「ゴール!蒼太朗たちに画像送ろうっと!」

スマホを取り出し、写真を撮り始めた彼に、私は瞬いた。そうして尋ねた。

「…ゴール?」

ぱちぱちと瞬く私に、彼―――正真はその時初めて今までと全く違う視線を向けてきた。

冷たい視線だった。

「何だ、やっぱ気づいてなかったんだ、日永」

ちらちらと私を見ながら画面を打つ彼を見て、不快な、何とも言えない恐怖感のある感情が、胸の中を渦巻き始める。

「ど…どういうこと?」

だが、正真はチョコの袋を開けてそんな私の声をかき消した。

「えぇ!既製品かよ!好きな男にチョコは普通手作りだろうが!何考えてんだよ、日永。うっわ」

一人口角を上げ、笑いを堪えている様子で、彼はどんどんメッセを打ち込んでいるようだった。

「ねぇ…どういうこと?」

再度、私は訊く。

すると、メッセを送った彼は、にやりと画面を見て笑った。そうして、「ほら」と言って私にスマホの画面を見せる。

私は少しずつ目を見開いた。

「…」

じわりじわりと目が開く。

そこには、私―――未来の彼―――正真とのデートの様子がムービーで撮られ、様子が報告され、そんなデートの様子をLINEで共有している内容が表示されていた。


『ウケるんだけど!日永が正真と手繋いでるよっ』

『正真よくあんな女と手つなぐなぁ。地味地味なのに…』

『いや、案外と本気かもしれないぜ?正真の奴w』

『お前正真に殺されっぞwww』


「…分かった?」

正真はにたりとどこか馬鹿にした顔でそう呟いた。

画面を見せ終わると、またメッセを打ち始める。

2月の風が、ヒュウと吹き付けてきて、左右に結った私の髪を揺らした。

頬に、横の髪がさわさわと撫でつける。


そうして、視線を地面に落とす。


そうか。


そうだよね。


彼が―――宮崎君が、私なんかを相手にするはずないじゃない。

彼はクラスでも人気のある明るい男子なのに。

いつも読書ばっかりして、休みは本屋ばっかり行ってるような私に。


正真の、電話をしながらけらけらと笑っている横顔が、視界に入る。


でも。


でも、この感情は何だろう。




パシャ。



効果音が聞こえて、私は顔を上げた。

「ただ今ショックで日永泣いてまぁす…っと」

瞬いた。

彼はスマホで私の顔を撮っていた。

「送信っと」

無意識に出ていた涙が、ぽろっと頬を落ちて行った。

そうして、口を堅く結ぶ。


違う世界の人のはずなのに。



どうしてだろう。



こんなに辛いのは。



分かっていたはずなのに。



涙が。



流れていく。



違う。




分かってなど。




分かってなどいなかった。





今回はヤクザさんの気配は全く出ておりません。

もし、暴力系が見たかった方がいらっしゃいました場合は、大変申し訳ありませんでした。


もう少しよければお付き合いくださると有難いです。

もし気が向いたら、また立ち寄ってくだされば幸いです。

お読みいただき、ありがとうございました。



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