第8話:良いっしょ
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俺を知っている全てのみんなへ
今誰かがコレを読んでいる時は俺はこの世にいないかもしれません。
俺にとっての生きがいは、人を幸せにすることです。
今回の事件で俺を怖いとか、怯える人が出てくるでしょう。
俺が考えた結果、この後の人生で、俺が幸せに出来る人数と不幸にする人数を考えた時、俺はもう人を不幸にすることしか出来ないのではないか?
という結論に達してしまいました。
俺がいなくなった事で、もし泣いてくれる人がいるのならば、それは俺にとっては悲しいことです。
俺がいなくなった事で嬉しいと感じてくれる人がいるならば、それは俺も嬉しいです。
俺は人が好きです。すっげぇ好き。だから全ての人に幸せになって欲しい。
こんな奴だから悲しいとか思わないでください。
そして、忘れて下さい。
作山明より
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こんな事を書いて、くしゃくしゃに丸めて捨てる。
本音丸出しの事を書いたら同情されてしまう。
俺が死んだ事で誰も悲しまないような…
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みなさんへ
俺は人が嫌いです。あいつらもムシャクシャしてて殴りました。
こんな所にいたくないので、どっか行こうと思います。
俺のものとか全部捨てて良いし忘れて下さい。
作山明より
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何やってんだ俺、こんな遺書まで書いて…
書いていたペンを置いて考えてみる。
俺は人を一人でも幸せに出来ただろうか?
一人も不幸にしてないだろうか?
人の悲しみを楽しみに変える事が出来ただろうか?
人を幸せにしたいと願っているのに、それがもうどうやって良いのか分からない…。
今は全てがマイナスに働く気がする。
大切で大切で、全部護りたいのに、俺がいたら、俺のせいで不幸になる人が出てきてしまうかもしれない。
そんなの俺には自分が死ぬよりも耐えられない!
だから、居なくなろうと思った。
でも、それもまた逃げてるだけで、俺はまだやれる事を全部やっていない気がする。
だから、もう少し頑張ってみようと思う。
机の中にさっき書いたものをしまっていると、携帯が鳴った。
そしてメールを開くと、泣き虫だった俺が人を笑顔にするために泣かないと決めた、あの日から…
初めて泣いた。
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from坂籐広樹
お前の考えなんかお見通しだ、バカ!
校長に直訴してサクの処分取り下げてもらったから。
今度こんな事するときは、俺に言え!
お前の処分取り下げの時、署名集めたんだけど、全校生徒の7割はすぐに集まったぞ!
みんなお前に幸せにしてもらったんだ!
お前にはもっと人を幸せにして、幸せになる義務がある!
勝手に学校から居なくなるなんて、俺ら全校生徒が絶対許さない!
わかったなっ!!
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from山本昭人
先輩の処分なくなりましたよ!
俺スッゴく嬉しいです!
会ってからも言いますが、すいませんでした!
そして、ありがとうございます!
先輩には何回感謝したって足らないくらいなのに、こんな事になってしまって…。
今度は俺がいくらでも助けられるようになりますから、待ってて下さい!
俺がこんな強い気持ちを持てたのも、優しい気持ちになれたのも、全部作山先輩のおかげです!
本当にありがとうございます!早く学校来てください!
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それからも卓球部を中心に続々とメールがくる。
俺がやってきた事は間違いじゃ無かったんだろうか?
まだ、人を幸せに出来るのだろうか?
拭いても拭いてもまだ出てくる涙を拭いながら、この大切な人達が絶対に幸せになって欲しいと願い、
そして、俺にその手伝いが出来るなら、俺の全てをかけて頑張ろうと誓った。
〜end〜
この作品を作るとき、ずっと明るくて、ほのぼのしてるような作品を作りたいと思ってたんですが…。
なぜかどんどんシリアスに↓↓
自分で見てて悲しかったです。
でも、自分的には楽しく書けたんで良かったと思います。
ここまで読んで頂けた方、本当にありがとうございました!