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第6話:恐怖



学校からの帰り道の事だった、




いきなり肩を叩かれて、友達かな?って思って振り向いたら、なんか良く分からないチャラい人たちだった。



「ちょっと話があるんだけど、あっち行かねぇ?」



少し脅すような声で、争いを好まない俺は、思わず頷いてしまい、ついて行く事になってしまった。







人気の無いところに入っていって、どんどん恐くなってくる。



どうやって逃げるか考えていると、突然チャラい奴らの一人が口を開いた…。




「俺らな、殴られても抵抗しない奴探してたんだよ。」




体中の血の気がいっぺんに引いた気がした。



いかれてる…恐い…なんで俺がこんな目に合わなきゃならないんだ!!




俺が恐怖で黙っていると、そいつが腕を振りかぶっているのが見えて、痛みに備え目をギュッとつむる。



ドカッ




ドスン






え…痛くない…けど…



この音は?




恐る恐る目を開けるとそこには作山先輩の後ろ姿





「逃げろっ!!!」




俺は思わず走り出した







人通りの多い所に着いて、作山先輩を置いてきた事による、すさまじい自己嫌悪に襲われる




ヤバい…ヤバい…



どうしよう…どうしよう…





混乱した頭で携帯を取り出し、震えている手で文面を打ち、送信する




『作山先輩を助けて』




部内のみんなに一斉送信した。




その後、力が体に入らなくて道脇に座り込む



「ごめんなさぃ…ごめんなさぃ…」



と、恐くて戻れない情けない自分にイラつき、それでも戻れない事を作山先輩に謝りながら…。







道脇でうずくまっていると、いきなり肩を揺さぶられた、そして怒るような声で



「ハァ…ハァ…サクはっ!?サクはドコだ!!」



坂籐先輩だ…


すごい息切れしていて、思いっきり走って来たのがわかる。


震えながら道案内しているとぞくぞくと人が集まって来て、部のほぼ全員が来ていて、20人位にはなっていた。




俺が殴られそうになっていた所に着くと、作山先輩の後ろ姿が見えた、


まだ作山先輩は殴りあっていた、というより自分の後ろに行かせないようにしているようにも見えた。




「オイッ!!お前らっ!!」



坂籐先輩が普段では考えられないような声をあげる



チャラい奴らは人数にビビったのか、そそくさと退散していった、そして、作山先輩と目があった。



助けてもらっといて不謹慎だと思うが、今、作山先輩を恐いと思ってしまった。


いつもの先輩をみんなを照らす太陽とすると、今は一匹狼のよう…。



「オイ、大丈夫か?」



坂籐先輩が座っている作山先輩に手を伸ばす…が



その手を取らずに立ち上がり、そして、一言も発さず、どこかへ行ってしまった。




そして、自分が『ありがとう』も『すみません』っていないことに気付いて、今は行きにくいので、明日言いに行く事にした。


このことを、後で後悔する事になるのも知らないで…。






……つづく

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