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第3.5話:優しさの理由(サク独白)




俺には中学校時代の友達が居ない、この高校にはその事実を知っている人はほとんど居ないだろう。


この友達が居ない訳の一つにイジメられていたというのがあると思う。


別に、被害はあまり無かった

ただ少しだけ無視されて、少しだけ机を遠ざけられただけだ。


みんなにとって俺は少し気持ち悪かったらしい。


俺はちょっと汚かったから




もちろん話し掛けてくれる人も居た、

…けれど、俺から離れた。

だって俺と話しているせいでその優しい人まで気持ち悪がられたら、耐えられないだろ?


離れるなんて簡単だ、その人を無視してやれば良い、


そうすれば「なんだよコイツ…」となり、自然に離れていく、


間違っても

「俺から離れてくれ」なんて言ってはいけない、こんなの被害者ぶって

「俺のそばに居てくれ」としか聞こえない。

だから、無視をする、こうすれば簡単に離れていく



ひとりにはもう慣れている



ずっとひとりで居れば誰にも迷惑を掛けない。

他人に迷惑を掛けてはいけない。



…じゃあ死ねば誰にも迷惑をかけずに済むのではないか?



という考えがよぎった時、すごく怖くなってしまった



そして、ある事を思い付いた。




俺は人に迷惑をかける人間では無く、人に幸せを与えられる人間なれるのではないか?と…


俺はずっと自分を演じてきた、汚くて俺に近づくと嫌な事が起こるような人間を…

俺のような人間を出さないために




だから、思い付いたんだ! 俺が明るい人間を演じれば、クラスでイジメに遭ってる子や孤立している子や大切な人を救えるのではないかと…。



中学校では俺が気持ち悪いという先入観が出来てしまって居るので、高校から始める事にする。


ちょっと意味が違う気もするが高校デビューだ!



俺は明るくなる!


そして優しくなる!


絶対に俺の居る学校でイジメなんか起こさせない!


全員が笑って幸せになれるように!


ちょっと今時の子供が言うのもあれな気もするけど、俺の本当の願い事!




  「世界平和!」








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