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第2話:入っちゃいました


俺が卓球部に入ったのは成り行きだ。


ただ、絶対に部活には入らなくてはならなくて、

それに俺は人と話すのが苦手だから、卓球部なら大丈夫かなと思っただけだ。



仮入部に行った時に喜ばれたから、というわけでは無い



あの向日葵のような笑顔で、本当に嬉しそうな顔で

「ありがとう」

って言われたからでは断じて無い…!


…たぶん。


ちょっとだけ、俺がここに居たら喜んで貰えるのかな?とか、俺が必要とされているのかな?とかとも思っちゃったから、、


…もしかしたら、少しだけ、あの笑顔にほだされたということもあるかもしれない。


別に俺だけが特別では無い、来た人全員にあの笑顔を向ける。


でも、俺が来たことでそんなに歓迎された事が無かったから…、やっぱり嬉しかったんだと思う。




そこの卓球部はスゴかった。何がスゴいかって、仲間外れが居ないのだ。



どこの部活だって、上手い人と下手な人で派閥が分かれたり、気持ち悪い奴がいたら仲間ハズレにしたりすると思う。





みんなで練習を始めて、1人位あぶれていたりすると、サクちゃん改め、作山先輩が絶対に気づいて、その人の所へ向かい

「俺と一緒に打ってくれない?」と言う


メガネ掛けていてクラスで気持ち悪いとか言われてそうな奴でも、絶対に手を差し伸べる…。



俺みたいないつも「1人で良い」とか言っている奴が、それを言われる訳なんだけど、それが強がりだったんだと思い知らされる。



なんて嬉しいんだろう…。



作山先輩は背が高くて、顔が小さくて、ちょっとだけカッコいい。なんかバスケをしてると言った方が絶対に納得できる。


前に身長を聞いたところ185cmと言った。



俺が誰も入らないと思った卓球部は新入部員が5人も入った。



男三人、女二人だ、なんと女の子が入っている。1人は中学でもやっていてもう1人は初心者らしい



作山先輩は部長だけど二年生だ、ここは進学校で三年生になったらもう世代交代みたいだ。






部活の最初は初心者組と経験者組で分かれて練習している、と言っても初心者は俺と女の子の二人しか居ないんだけど…。


その時に色んな人が教えくれるんだけど、ちょっと紹介しようと思う。


まずは作山先輩の場合…



ぽーん ぽーん



「ヤベ×2めちゃくちゃ才能あんじゃん、すげぇうめぇ! 俺の最初の時の十倍うめぇ!」


「ほんとですか〜?」


「おぅ、俺が小三の時より100倍うめぇ!」


「…」


「でもな、ちょっと肘下げて、もうちょっと前で打つと良くなるべ? そう、まるで俺のように!」


「…」





次は副部長である、河内先輩の場合。



「違うっ!手の位置はここっ!」


「えっ、ここですか?」


「違うって言ってんだろっ!ここだ、ここ!」


「えっとここ?」


「そう!そこだ! じゃあそのまま素振り100回!」





普通の二年の平部員の坂籐先輩の場合。



「いやぁそれじゃダメだろ?」



「えっどこですか?」


「どこがって、玉が相手の所に入って無いじゃん」



「…」



「だって相手の所に入れなきゃダメだろ? ほら、こんな感じで入るから」




…と、まぁ印象が大きいのはこんな感じだ。


部内ではこの三人がずば抜けて上手いが、一番教えるのが上手いと思うのが作山先輩だと思う。


作山先輩は絶対に強制しない。それどころか


「教えんの上手く無い人も居るだろ? 自分が違うと思ったら言うことなんか聞く振りして聞かんで良いから。良いとこだけ貰っとけ! もちろん俺もな」



なんて言ってる。







最初の作山先輩の印象はかなり変な人




今の作山先輩の印象は、『世界一明るくて、世界一優しい人』






…つづく

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