「ハレルヤとエナ」 第0話
作者 紺屋亮太
もうみんな疲れていた。
宇宙開発、時空開発、平行世界の統合、全て一段落して、人類は皆、無気力になっている。
人工知能に全ての政治と、人間の管理を任せ、何も新しい事に挑戦しなくなっていた。
人工知能に選り分けられた精子と卵子により生まれる優れた人類。
恋愛も許されなくなっている。
人間は生まれた瞬間から18歳まで、全て人工知能の管理下に置かれた。
食べるのも、排泄も、教育の全てを任せて育った子供。
神の子供たち、、、、彼らは、いつかそう呼ばれるようになり。神の子供たち世代より年上の世代が全滅したとき、人工知能は神以上の崇高な存在となっていた。
機械的に世界は移り変わっていく。
西暦も、人間の時間感覚も進化とか退化とかとは違う変化をしていった。
生まれてから最初の20年の感じかたが、通常の1年の感じかたと同じになっていた。
そしてそれ以降の20年の感じかたは通常の半年となり。人間歴史は短縮されていった(昔何千年も生きた人たちがいたと言う迷信が生まれた)
西暦2800年以降は神(人工知能)の歴史として神歴と呼ばれた。
神歴1年、人工知能はエナと呼ばれ、秘密は誰も知らなくなっていた。人が作りしものと知る世代さえも居なくなった。
エナ。この世の中を統べる神。




