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灰色魔法少女のmemorial  作者: 紗南宮夕月
2/16

夢からの現実は、

一部過酷な表現が使われています。

ご注意ください。m(_ _)m

お・・ろ・・!

おき・・・ろ


誰かの声が聞こえる。一体誰の声だろうか。

さっきまでなぜか懐かしい、幸せな夢を見ていた気がするのに・・・。


「いい加減に起きろ‼︎」


ガシャンッ

大きな金属音が心地良い夢から現実へと誘う。

目を開けると眩しい陽光のせいで一瞬視界が回りかける。手で目に届く光を遮りながら何度か瞬きをすると段々自分の周りの状況がつかめてくる。


今私が寝ていたのは藁が積まれている牢屋の中しかもここは奴隷売買会場の裏手に存在する牢屋。

さっきの金属音は衛兵といえば聞こえのいい雇われ兵が牢屋の鍵を開けた音だ。

古びてはいるが猛獣でも人間でも一度入れば逃げられない頑丈な造りの鉄格子が・・・そんな頑丈な牢屋の鍵が開かれればあれだけの轟音が響いた納得がいく。


1人の衛兵がこちらに向かってさっさと出ろという目線で見ているの気付き、いそいそと移動する。

長い長いの1本道の通路では猛獣や奴隷の喚き声、泣き声、牢から出ようと鉄格子に体あたりする音が前から後ろから聞こえてくる。

奴隷達の顔は諦めの入った疲れ顔か恐怖の表情か捕縛された事への怒りを露わにしているか・・・大体この3種類ぐらいだろう。


そして私は諦め顔で首、手、足からのびる鎖を眺めている。

今まで何度売り買いされたかなんてわからない。

物心ついたときにはすでに奴隷として売買され、親の顔なんて覚えてない。むしろ親がいたのかすらわからない。


通路の所々にある小さな外抜け窓からは真っ青の空とその中を優雅に飛ぶ鳥たちがいる。

何者にも縛られないその姿はとても憧れる。

いつか、私もあんな風に自由になれたら・・。


そんな憧れをジャラジャラと鎖の音によって打ち砕かれる。

手枷からのびた鎖は前を歩く衛兵に引っ張られるような形で持たれ、足枷は両足をある一定の長さしか伸ばせない様にされている。鎖の音は先程までの夢を嘲笑うかのようにジャラジャラといっそう音を増しているように感じられて他ならない。

まるでお前は夢なんて見ては、望んではいけない奴隷だ。とでも言われているみたいだ。

無機質な金属音は通路に響きわたり。

より一層と気分を下げる。


程なくして衛兵が大きな扉の前で立ち止まる。

分厚い扉をゴンゴンと叩くとギシギシ音をたてながら分厚く重々しい扉が中に入るように大きな口を開ける。

その中に入るのを拒みたいが衛兵にグイッと手枷を引っ張られ、半ば引きずられるようにして扉の中に入って行くことしかできない。

抗う事などでき流わけがない。


だから、私は・・・無力なんだ。


前回からかなり間が空いてしまって申し訳なかったです。

最後まで読んで下さった方、ツイッターで応援してくださる方々ほんとうにありがとうございます。

今後もじゃんじゃん書いていくのでよろしくお願いします。

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