表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灰色魔法少女のmemorial  作者: 紗南宮夕月
14/16

信頼と信用

お読みくださりありがとうございます

揺られる馬車の中真白は窓から見える様変わりする景色を楽しんでいた。なんとご気楽なことか。これから一歩間違えれば自分が死んでしまうそんな戦場に向かうというのに…


「はぁ」


ため息が漏れる。


「どうかしたの?」

「お前があまりにも暢気すぎてため息が出ただけ」

「そんなこと言われても私には魔法少女がどんなものなのか全然想像できないんだもの」


確か人間界には魔法少女の話や天界、魔界の話はおとぎ話のようなものとして昔から受け継がれていた話だが…『奴隷制度』それのせいでそんなことすら知らないのか?よくもまぁそんな中で魔法少女契約の話に乗ったものだ。あの契約はいわば死にたがりの人間が少女という器を用意した様なものなのに


「はぁ」


二度目のため息に真白の眉が下がる。


「ごめんなさい」

「なぜ謝る?」

「クロの気分を悪くしたみたいだから、、、。」

「別にお前の能天気さに呆れはするがこれからのパートナーに嫌気がさしたわけじゃねえんだからそんなに落ち込むな」

「うん。ごめんね」


まただ。こいつは出会ってからことあるごとに申し訳なさそうに謝る。まるで謝らないといけないみたいに。いや、謝ることで自分を守るように

体面に座っていた座席から腰を上げ真白の髪をわしゃわしゃする。細い髪は手から零れ落ち乱れる。


「うわっ!!何するの、クロ」

「謝るな。自分が本気で悪い時以外謝るな。俺はお前をお前が今まで出会ってきたやつらの様に扱わねえし、手も出さねえからちゃんと向き合え俺と…お前自身と」


真白が息をのむ。真っ青な瞳が動揺を隠しきれずに激しく揺れる。

薄々気づいていた。真白は自分自身の現状からどこかで目を背けていること。それゆえに他人と真正面から向き合えない。怯えている。

だがそれはこれからの戦いには命取りになるだろう。こっちだってせっかく呼ばれたのに早々とお帰りにはなりたくはない。









それに―
















もうペアント契約者を失うのはこりごりだ。











長らく馬車に揺られ、ようやくバネリオナ国に到着した時にはもう夕暮れであった。


「さてを宿を借りるぞ」

「う、うん」


足早に行動するクロの後を逸れない様に真白は後を追う。

馬車で降りた場所からどんどん回りがにぎやかになっていく。明かりも増えていって―


「わあああ!!」


町全体が見渡せる開けた場所に出る。街の明かりがキラキラと光り、人が賑わいを見せる。人が笑顔で物を買い、食べ歩き、大道芸などが行われ人ごみの間を簡易馬車が通る。マスターの屋敷で学んだ街の光景そのものだった。

初めて街を見る真白にはすべてが新鮮でならなかった。今まで向けられていた奇異の目は人々にはなく雰囲気も明るく元気だ。おそらくこういうのを『活気ある』というのだろう。


「すごいね!人がいっぱいそれに楽しそう」

「ここは年に一度大勢の魔法少女が集まるおかげでこうして賑わっているんだそうだ」

「自分たちの住んでる場所が狙われるのに?」

「狙われてはいるが今までここが陥落しなかったのは魔法少女が守ってきたからだろう。それだけここの住民は魔法少女を信頼し、期待しているんだろうな」


確かに街の人々に恐怖を持っている人は見えない。

この笑顔を守るそれが魔法少女の務め…

私なんかにできるんだろうか


「それより宿捜そうぜ」

「どこにあるのかな」

「晩飯食いながら街の奴らに聞いていきゃわかんだろう」


クロに渡されたマントを羽織って二人並んで街へくり出す。

賑やかな町は真白の瞳にはきらきらと輝かしく映った。


さて少しずつですが真白のことやクロの過去にも触れてきました。今後それらがどのような形で物語にかかわるのかはお楽しみに!

作者も全力で書きたい!過去編

頑張って書きますので次回もよろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ