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灰色魔法少女のmemorial  作者: 紗南宮夕月
10/16

その運命は何処へ向かう、3

いつも読んでくださってありがとうございます

「「‥‥えっ?‥‥」」


2人の声が重なる。


どうして男の人が?さっきまでのクロがいた場所に何で―


どうして天界の姿になれた?さっきまでは猫の姿だったはずなのに・・・

まさか真白はあいつと同じ…‥いや、そんなはずはない。

だってあいつは、あいつは―



「なんで、、、、真白が手を取っているのはペアントな‥のか?」


口を開いたのは俺たちから少し離れたところからこちらを見ていた男だった。


「真白、そちらの方が君が召喚したペアントなのかい?」


男が真白に問いかける。

手を握ったいる相手は分からないと眉を下げながら不安そうに口を開く。


「えっと、クロ…なの?」

「ああ」


わずかに揺れる空を切り取ったかの様な青い瞳がほっと安堵を浮かべる。


「・・・はい、マスター!彼が私のペアントのクロです!!」


真白はマスターと呼んだ男のほうに向かって笑いかける。

その笑顔(それ)は酷く心が乱される…?違うな

乱されてはいない。ただ、苛立ちを煽った

こいつはこの男に惚れているのか?


まさかそんな人間どもの茶番に付き合わされたのか…‥‥

だとするならなんと腹立たしいことか

しかも、おそらくだがさっきの白煙が立ち上った間に契約が交わされてしまった。

最悪だな




まさかこれほどの力を彼女が持ち合わせていただなんて。

姉さんですらペアントであった紗良(さら)はムササビの姿をしていたのに―

真白はもしかすると姉さんの序列さえ上回る魔法少女になるのではないか‥

だとしたら彼女は最強の魔法少じょ―


「なぁ、あんたは一体真白のなんなんだ」

「えっ!?」

「こいつの意思で俺を召還したのか、それともあんたに言われて俺を召還したのかによっては俺のやる気は変わるんだけどさぁ~」


“クロ”と呼ばれた青年は僕をじっと睨む。

・・・試すかのように

まるで前者でないなら自分は協力しないとでも云うように


「この魔法少女契約は確かにぼ―」

「私がやると決めたからクロを召還したの。確かにマスターに出会わなければ私は魔法少女の存在すら、その役割すら知る由もなかったの。それに…」


真白がクロをまっすぐに見やる。


「こうしてクロにも出会えなかったの。だから、きっかけをくれたのはマスターだけどちゃんと私の意思で契約しようと思ったの!」

「あっそ。ならお前はなんのために魔法少女契約を交わした?」

「私は、生きるためです。今までずっと見てこられなかった外を自分の目で見たい。それに‥‥‥自由に生きてみたいんです!」


クロの表情が強張る。



こいつはさっき俺の“マスター”とやらへの問いかけを割って入り、俺の真意を見抜いたにもかかわらず“自由に生きたい”という。

そんなのは魔法少女になったからと叶えられるものではない


ましてや誓約が増えて普通の人間よりも死に近づき自由になど生きられるはずがないのに―

こいつは馬鹿なのか?

それをわかっていないのか


ふわりっと風が舞い上がる。真白の髪が靡き乱れる中その瞳は光を宿す。

その顔は全部知っている人間が絶望の中でも可能性を見出したいと強く願った時の表情だ。

俺はそれを痛いほど知っている。

そしてその未来も・・・・


「なるほどねぇ~。いいぜ?それが真白の“契約代償”なんだろ。認めてやるよ」


握ったままの手をグイっと引っ張り抱き寄せる。

野次馬どもの視線が俺たちに集まる

マスターも驚きの表情で固まる


だが、一番びっくりしているのはおそらく俺の腕の中にいる真白なのだ。クスリと笑みが漏れる


チュッっと首筋に音をたてて腕の中のモノを手放す


周りがギョッとする。

真白も驚きながらこちらを見上げる。

その顔に向かって笑いかける。さも紳士風にー

さて、これからが楽しみだ。

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