襲われない
気付くと螺旋階段を上っていた
一体いつから上っていたのだろうか
下りようとするが体がいうことを聞かない
振り返らずとも分かった、分かってしまった
自分と同じように階段を上る骸骨が後ろにいることを
己の意志では動かせない体は上り続ける
そして気付く、何故後ろに骸骨がいることが分かった?
振り向いていない
顔は正面を向き、体は上に上にと階段を上り続けている
骸骨から逃げ出したいのに速度は上がらず一定のペースを保っている
ああ、気づかなければよかったのに
ああ、分からなければよかったのに
気づかなければ恐怖を感じなかった
分からなければ気のせいですんだのに
「っつー夢見たんだけどよ?ありゃあ怖いぜー」
スッ(静かに挙がる手)
「ん?どした、問題文にミスあったか?」
「どこの世界にテスト中にんなこと喋る担任がいますか!!」
「ここにいんだろーがよ」
「あと五分なー」
その一言で阿鼻叫喚と化した教室では
(((赤点になったらコイツのせいだ!!)))
奇しくも生徒の心が一致団結した
怪談よりも赤点が怖かったとさ
チャンチャン
昔、夢で両脇にいたリトルグレイに覗き込まれたのを思い出しました
……その後、手術台の上に縛り付けられてからの記憶がありません
つまり!!私の頭の悪さはリトルグレイの仕業なのだよ!!




