最終話-最後の・・・- ・ 2
気まずい空気の、林檎と蜜。
その後、蜜は林檎を連れ、公園に。
とぼとぼと、蜜の後に付いて歩いていると、徐に蜜が口を開いた。
「ゴメン、林檎」
「・・・え?」
蜜の言葉の意味が汲み取れずに聞き返す林檎。
自分の気持ちに気付いていて、それを無視して買物に付き合わせた事を謝っているのか、それとも・・・。
不安げに視線を送る林檎を見る事なく、蜜は林檎の手を引いて走り出した。
走っている最中に、蜜の指は林檎の指を捕らえ、絡まっていく。
蜜の行動が読めずにいる林檎だが、跳ねる鼓動に終始ドキドキし続ける。
やがて近くの公園に辿り着いた二人は、手を繋いだままベンチに腰掛けた。
「オレ、さ。林檎に嘘ついてるんだ」
未だ呼吸の整わない林檎を見ながら、ゆっくり話し始めた。
「え・・・?」
呼吸が浅く、イマイチ考えが纏まらない林檎は、ただ聞き返す事しかできない。
意を決した表情で蜜は、上着のポケットから小さな包みを取り出し、林檎に手渡した。
「何?これ・・・?」
手の平サイズの可愛い包みを「?」を飛ばしながら蜜に問い掛ける林檎。
どうやら、林檎との待ち合わせ時間までに買っていたのは間違い無いらしいのだが・・・?
「言ったろ?“好きな子”がいて、その子にプレゼントを買いたいから付き合ってくれって」
「・・・!!」
ようやく包みの正体を察した林檎。
まさか・・・、まさか自分とは夢にも思わなかったから。自分以外の誰かと思ってたのに。
様々な思いが林檎の中を駆け巡った。
そして、ようやく口から出た言葉は・・・。