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3日目⑶
ガチャリ。
不意に鍵の開閉音がした。音のした方向へ全神経を集中させていると、突如フラッシュのような閃光が俺に襲いかかった。
俺は眩しさに顔を歪ませながらも、光源をじっと睨み付ける。しばらくすると目が慣れたのか、その中に人間のシルエットを見つける事ができた。少し細身で長身の……女性?のようだ。
「やぁ、お目覚めかい?」
この透き通ったハスキーボイスはきっと彼女のものだろう。そんな推測をしながら目の前の彼女の問いかけに俺は答える。
「あぁ。起きてるみたいですね」
この曖昧な返答は彼女の気分を害したらしく、視覚的にもイライラを感じとることができた。だが、これは仕方ないのである。だって自分自身ですら起きているのか眠っているのか、はたまた生きているのかすらよくわからないのだから……。