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3日目
6月29日。
ふっと戻った意識と反射的に開いた眼。目の前にはまばゆく真っ白な世界。つまるところ病院の風景が広がっているわけがなく、まぶたを上げる前と変わらない暗闇が俺のしやをおおってた。
意識をしなければ自分が目を開いているのかどうかすらわからなくなってしまうほどの漆黒。感覚すらなにもない闇だけが奇妙に俺をつつみこんでた。
もしかすると俺は今、頭だけの状態で意識を繋いでいるのかもしれない。いや、それ以前にもう眼とまぶただけしかないのかもしれない……。
いやはやどちらにせよ、そんな状態で生きているなら気持ち悪すぎるな。
うん。違うと信じよう。




