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男を見せる時なのか?

俺は屋上への階段を上がり屋上のドアを開けた。

この学校の屋上は普段も開放しているのだが誰として使わない。

別に何か問題があるわけではないのだが使う人はいない。

まぁ、俺にしては都合が良い。

誰も来ないから静かだし要はここへ探しには来ない。

今日もこの屋上は誰もいない。

「ここで良いかな?

誰も使わないのに椅子だけはあるよなぁ」

俺は持参してきた弁当を開けて食べ始めた。

普通に美味い。

当たり前だ母が作ったのだから。

弁当を半分ぐらい食べ終わって飲み物がないのに気付き席を立ってドアに向かった時

逆の方からガシャンとフェンスの音がした。

俺が振り返るとそこには・・・・・・。


「おい!なにしてんだ?」

そこにはフェンスを乗り越えた

一人の女子がいた。

「来ないで」

女子は俺にそう告げた。

俺は悟ったこの子は自殺するつもりだ・・・・と。

俺は彼女の元へ行こうとした。

だが

「来ないでっていてるでしょ!」

彼女はさっきよりも大きな声で俺に告げた。

俺は足を止めてしまった。

そして俺の頭の中には選択肢が生まれた。

一つは彼女を助ける。

もう一つは

彼女の言う通りに彼女の元へ行かず当初の目的より自動販売機に行き飲み物を買いに向かう。

だがその選択肢すぐに消え去った。

普通に俺は彼女を助けに行く方を選んだ。

だが待て。

ここで助けて良いのだろうか。

彼女は助けるなのようにこっちへ来るなと言っているし。

そしてなにより

俺の日常が普通じゃなくなる。

俺はさっきよりも躊躇した。

俺は普通が好きだし。

何より普通が好きだ。

「それで良いのか?」

なぜか俺は彼女に質問をしていた。

「何が?」

「俺が見る限り君は死を選んだ。あってる?」

「うん」

「それで良いのかい?」

俺は問いながら無意識に体が前へ進んでいた。

「私は・・・。」

彼女は言葉に詰まった。

「私は死んだ方が良いの!

クラスに溶け込めない私を皆は邪魔者にする。

いずれいないものにされると思う。

だったら居ないものにされる前に自分から

いないものになれば良い!

私はそう思ったから死を選んだの」


彼女は今までの溜まった思いを俺にぶつけてきた。

たぶん誰にも相談しなかったのだろう。

親にも何も言わなかった。

いや

言えなかった方が正しいのか。

親に言えば問題視されてしまうと思ったわけか。


だが普通に友達がいて普通に暮らしている俺には解釈は出来なかったが

俺は自分の中に湧き出た言葉を口にした。

「君は逃げているんじゃないのか?」

「えっ?」

彼女は首を傾けた。

「君は今自分が置かれている現実から逃げているだけじゃないのか?

ただ単に馴染めないんじゃない。

君がそうゆう雰囲気を出しているんじゃないのか?

だから他の人は話しかけずらいんだと思う」

俺は彼女に強く言った。


「何も知らないくせに知ったような口をきくな!!」

彼女は泣きながら俺に言った。

「あぁ。

俺は知らない。君のことも年上なのか年下なのか同級生なのかも何も知らない。

ただ君が俺に君と言われて反論しなかった、だから俺は同級生と思ってしゃべっている」

これを言ってよいのか?

彼女を助けたいけど普通を崩したくない。



いや

俺は男だ目の前に困ってる人がいたら助けてやるのが男ってもんだ!。

「でも

俺は君を助けたい!」

「・・・。」

彼女は言葉を発しないまま涙をこぼした。

「なにかの縁だ。

不安なことや相談したいことがあったら俺のところへ来い。

なんの解決にもならないが話だけは聞いてやるからさ」


彼女はフェンスを越え校舎側っへ戻り膝を崩し声をだし泣いた。

ちょうどその時チャイムがなった。

俺はハンカチを差出しながら手を延ばし

ただ一言

「行こう」

と告げた。

「うん」

彼女は俺の手を掴み立ち上がり。

そして

微笑んだ。





だが

そのあと俺と彼女は個々の教室でこっぴどく注意をうけた。

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