表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子様とオオカミお姫様  作者: 昼飯
2/3

松尾視点

 転校生は私と姫のクラスではなく隣のクラスに、名前は逸美真央いつみ まおという女学生らしい。

 なんだか有名な学生モデル? らしいのだけど、興味はあまりない……なんていったって私の膝に頭を預けている姫がその話を聞くたびに不機嫌そうな顔をしているので、頭を撫でながらクラスメイトから話を聞いていた。


「かおる、その女が気になんのか?」

「いや?話からして同業者になるんだろうから挨拶でもした方がいいのかなって考えてたんだよ」

「マネージャーに聞いてからでいいんじゃないか?」


 姫はとにかくやきもち焼きなんだけど、私の仕事とその仕事を支えるマネージャーにはやきもちを焼かない。

 マネージャーは姫の実姉でもある真尋まひろ姉さんで、真尋姉さんは仕事とプライベートを分けて考えてくれるし、なにより私と姫の交際を認めてくれる人で姫は「逆らえない」って答えるくらいの人だ。

 その真尋姉さんに教えてもらった食事の栄養管理の一環で作る料理を私のお弁当に活かしているし、たまに姫が人手が足りないからと真尋姉さんの手伝いとして呼ばれることも多い。

 そんな真尋マネージャーに連絡して聞いてみたらいいとのことで一度スマートフォンを開いて連絡してみよう。


『逸美真央ってモデルの人って誰なのかな』

『貴女、一応モデルもやってるのに逸美真央知らなかったの!?』


 どうやら逸美真央って子は最近有名になってきているモデルのようだけど、私は一度も現場で一緒になったことがないし同業者について調べることはあまりないからやっぱり同業者のことは知っておかないといけないな……。


「……」

「姫?眠いのかな?」

「かおる、ずっとその女の話ばっかりだ」

「あはは、すねないでおくれよ」

「すねてない」


 むっとした表情の姫の頬を軽くもんでから起き上がらせる、この可愛い私の彼氏はなんて可愛いんだとハグしたくなったけどそろそろ授業の時間だ。

 普段あんまり出席できていないからなんとか勉強に追いつきたいものだが、わからないところは素直に質問しよう。


「さて、授業の支度をしようか」

「……俺は購買に……」

「おっと、ちゃんと受けないといけないよ?」


 ちゃんと姫にも授業を受けさせてと真尋姉さんから言われているので立ち上がろうとしている姫を座らせて授業を受ける支度をする、お互いちゃんと卒業できるように頑張らないといけないね。


 しばらく授業を受けたのだけど、午後からは仕事があるので早退しないといけない。

 姫を残して仕事に行くのは気が引けるけど今回のインタビューは「絶対に来い」と真尋マネージャーに言われているので、姫と一緒にご飯が食べたかったなぁと思いながら先生に無理を言って抜けさせてもらった。


く授業を受けたのだけど、午後からは仕事があるので早退しないといけない。

 姫を残して仕事に行くのは気が引けるけど今回のインタビューは「絶対に来い」と真尋マネージャーに言われているので、姫と一緒にご飯が食べたかったなぁと思いながら先生に無理を言って抜けさせてもらった。


「すまないね、インタビュー前に弁当は食べるから……」

「今日のインタビューは大切なんだろ、ファンとして楽しみにしてる」

「ありがとう、心強いよ」

「あの、王子様……今日のインタビューってもしかして……!!」

「ああ、前から告知してた写真集のインタビュー記事だよ」


 そう、ジェンダーレスモデルとして初めて出す写真集のインタビューだからきちんと答えないといけないんだが、なにを聞かれるのだろう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ