X1_Bottomless
第四話「Bottomless」 サブタイトルは「迷宮心中」。
タイトルに「X」がついたエピソードは、迷宮探索が含まれないお話になっている。
ニーロに付き合い、「藍」の迷宮で何日も過ごしたベリオからエピソードは始まる。
帰還の術符を探す為の探索をして、四枚も発見できたらしい。
貴重な術符を探すのに付き合ったので、ベリオの取り分は多くなる。
彼は遠慮なく分け前をもらって、街の北西へ。
西門に近い北の角地には娼館が集まっており、ベリオは馴染みの女に会いに行ったようだ。
〇 アダルツォ・ルーレイ
アデルミラが探している「兄さま」であり、ベリオが訪れた店の向かいで下働きを強いられている。
探索者になったはいいが迷宮の中で失敗し、仲間を生き返らせようとして大きな借金を負ってしまったからだ。
登場時の年齢は二十歳。髪と瞳は赤茶色で、妹と同じ。
身長は百六十センチで、童顔もあいまって年よりもずっと若く見られる。
本来は妹同様、雲の神に仕える神官。
― 迷宮都市豆知識 ―
□ニーロのおまじない
無彩の魔術師は迷宮の床に光で線を描いて、魔物から身を守る魔術を身につけている。
ベリオとの「藍」での探索では自分たちの周りに円を描いてその中で休んでいたが、後にパワーアップして小部屋ひとつを護るほどの効果を発揮するようになっている。
ニーロは熱心な研究家であり、迷宮の中で「使える」新しい便利な魔術を生み出している。
□北西の一角は、男たちにとって安らぎに満ちた場所
迷宮都市には女性も大勢住んでいるのだが、男性が「自由に出会い、恋愛できる相手」がたくさんいるわけではない。
若い探索者は男性ばかりだし、妻子は別の町に住まわせている単身赴任の商人も多い。
そんな男性たちには安らぎが必要、と娼婦が連れてこられ、その数が増え、娼館が立ち並ぶことになった。
朝から開いている店もあるし、値段が安い店もある。
強引な客引きをする店や、極端に値段の安い店はウラがあるので、利用はしない方が良い。
借金のかたに連れてこられた女たちは、自分を解放してくれる男を見つけようと日々の暮らしに耐えている。
下働きにされた者は自由を失い、外部とは連絡が取れなくなってしまう。
利用する分にはいいが、労働する側にとっては幸せのないところだといって良いだろう。
□最も恐ろしい迷宮、「青」
西門に最も近い迷宮である「青」は、入り口から通路をまっすぐに進むとすぐに行き止まりについてしまう。
通路が水に沈んでおり、進めなくなっているからだ。
「青」の迷宮の内装は美しく、「黄」と並んで一度は足を踏み入れてみたいところだが、興味本位で入らない方が良い。
「青」の迷宮に満ちているのは、ただの水ではない。
途切れた通路に戸惑い立ち止まっていると、水が忍び寄って来て飲み込まれてしまうだろう。




