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12 Gates City ワールドガイド  作者: 澤群キョウ
キャラクターたちの初登場記録と、迷宮都市豆知識 1
11/50

01_Golden Shadow 〈無慈悲な黄金〉

 第二話「Golden Shadow」 サブタイトルは「無慈悲な黄金」。


 迷宮都市にやってくるなり大きなトラブルに巻き込まれたフェリクスとアデルミラ。

 二人は迷宮の中で出会ったニーロに言われた通り、樹木の神殿を訪ねる。

 一方、二人を助けた若い魔術師ニーロは、ある目的のために「黄」の迷宮へ向かう。

 迷宮の不思議な仕組みのひとつ、「清掃」について調査をするためだ。



〇 キーレイ・リシュラ


 樹木の神に仕える神官。

 この話で初登場するが、詳細はほとんど明かされない。

 迷宮都市生まれの迷宮都市育ちで、カッカーの弟子であり、新たな神官長に選ばれる男。


 登場時の年齢は二十七歳。髪は胡桃色、瞳はオレンジがかった茶色。

 神官長に選ばれるだけあって、性格は誠実、我慢強く、穏やかな人物。

 身長は百九十三センチ。幼い頃から迷宮探索をしているため、強い足腰を持っている。

 家族は両親と弟、妹。父親が薬草業者であり、リシュラ商店を営んでいる。 


 長く街で暮らしているため、ニーロ、ヴァージ、マリートやカッカーとの仲は深い。

 数少ない生き返りを使える人物でもある。


 話の冒頭でニーロからお礼をなににするか聞かれていたが、お菓子を買ってくるよう頼んでいる。

 だが、ニーロが持ってきたのは結局鹿の角だった。



〇 ヴァージ


 「赤」の最初の踏破者である、元スカウトの女性。はっきりとした顔立ちの美女。

 「迷宮人情余話」にも登場し、三年の間にカッカーと結婚し、二人の娘をもうけている。

 長女はリーチェ、次女はビアーナ。二人とも母親似で大変愛らしい容姿をしている。 


 登場時の年齢は二十六歳。髪は黒、瞳の色は濃いオレンジ色。

 身長は百六十八センチで、子供を産んでも変わらぬダイナマイトボディの持ち主。


 ニーロにスカウト技術を教えており、迷宮内の罠や仕掛けについて一緒に考察を進めているようだ。

 二人が話し合っている「誰か」については、のちの物語で明らかになっていく。



〇 デルフィ・カージン


 鍛冶の神に仕える神官。背は高いがかなり痩せており、気が弱い。

 ベリオが入った食堂で偶然同じテーブルにつき、知り合った。

 一話に登場したジマシュの幼馴染で、二人で探索をしていることが窺える。

 

 登場時の年齢は二十二歳。髪は茶色、瞳の色はこげ茶。

 身長は百九十二センチと高いが、 痩せていて誰もが「細長い」と思う体型をしている。

 この時点では判明しないが、神官でありながら「脱出」の使い手でもある。

 魔術師が着るようなローブを見につけ、杖を持っている。

 この服装はジマシュの指示を受けてのもののようだ。


 ベリオとの会話の中でニーロを紹介してくれないか頼んだが、嫌な顔をされて平謝りしている。


 

 


 ― 迷宮都市豆知識 ―



 □迷宮に落としたものはなくなってしまう


 迷宮入りする探索者は毎日山のようにいるのに、迷宮内部にごみがたまることはない。

 清掃の仕掛けが働いていて、探索者たちが落としたあらゆるものがどこかに消えていくからだと考えられている。

 倒した魔法生物の死骸、巻き散らされた糞尿や、吐瀉物、不要品、そして、見捨てられてしまった誰か。


 浅い層ほどものが消えるのが速いと、魔術師ニーロは分析している。

 この清掃の様子は、肉眼で確認できるものではないらしい。

 音もなく、なにもかもが消え去っていく。迷宮とはそういうところなのだという。




 □観光客はお断り


 「黒」をのぞいた迷宮内部は、入り口付近で敵がでてくることがない。

 特に「黄」は魔法生物の出現が少ないところで、観光できないか考えた商人がいた。

 探索目的の者が少ない迷宮は特に美しく保たれるところだが、奥に進む気のないものはそのうち、得体のしれない影に追われることになるのだという。

 その正体は不明であり、追われておかしくなってしまった者もいるらしい。

 観光計画は失敗し、以降、目的なく迷宮に入るべからずという教えが確立された。



 

 □帰還の術符は貴重品


 迷宮内部に気まぐれに落ちている超便利アイテムである「帰還の術符」。

 五人まで、メンバーがしっかりと持っている、一定の重量までの持ち物を迷宮入口に運んでくれる。


 滅多に落ちていない希少な品であり、売れば確実に十万シュレール以上になる。


 魔術師ニーロはその貴重な術符を改造できないか考えているようだ。

 魔法の道具がどのように作られているのかを探り、理解しようとしているのだろう。


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