改革②
「まず、みんなでゴミを片付けよう。それで、燃やせそうなものと、水が入りそうな大きな金属製の容器があったら、持ってきて。もし、どれにも当てはまりそうになかったら、あそこの荒野に捨てる。分かった?」
「うん!」
「ユニカは、重たそうなものを主に運んでくれる?」
「りょーかい!」
子供たちとユニカが元気よく返事をした。
「じゃあ、お願い!」
ミリエスたちはゴミの掃除に取り掛かる。
当然今日中でこの膨大なゴミを全て片付けられるとは思っていないが、水を作ったりするための、材料ぐらいはきっと見つけられるだろう。みんなが一生懸命やっている所申し訳ないけど、私は家の設計図を考えるとしよう。それに、また後で海に行って夕食の食材をとって来なきゃ行けないから、あんまり体力は使えないし。
「あの、ミリエスさん。本当にありがとうございます。何から何までやってもらって••••••」
ミリエスが地面に設計図を描こうとしたところでい、リサに声をかけられる。
「当然のことだわ。だから気にしないで」
と、ミリエスが言うと、リサは少し困ったような顔をする。
「でも••••••••••••私は••••••私たちは貴女に何も返せるものがありません••••••」
「だから、気にしないでって言ったでしょ? それに私は、これは人として当然のことだと思うの」
「当然のこと••••••?」
「ええ。私はね、人が生きる意味って人を幸せにすることだと思うの。だからね、たとえ世界中の人を救えなかったとしても、自分の周りにいる人を••••••少しでも多くの人を、精一杯幸せにしたら、幸せになって貰えるように努力したら、それはきっと誰もが最初から持っている使命を全うしているってことなのよ。だから、私がこうすることは当然のことなの」
リサはキョトンとした顔をしている。そして、
「••••••••••••••••••はい••••••••••••」
と、泣きそうな顔で言った。
私には何故彼女が泣きそうな顔をしているのかは分からない。だけど、きっと彼女は、リサは、悲しくて泣いているんじゃない。ただそれだけは、分かった。