改革
「おいしい! こんなおいしいご飯初めて食べた!」
子供達が次々へとその言葉を口にする。
みんなで協力してスープを主にした料理を作った。本当はちゃんとしたものを作ってあげたかったのだけれど仕方ない。そこまでの材料がなかったのだから。それでも、魚は全員がそれなりに食べれ他と思うし、野菜は少なすぎたから、あんまり食べれなかったかもしれないけど、スープに栄養が溶けているだろう。調味料も塩だけだけど、海から作った。最初にしてはなかなかできたと思いたい••••••というか、そう思わないとやっていけない。これからは、野菜をスラムでも育てられるようにしたいし、塩だって定期的に作れるようにしたい。そうすれば、少しはこの子達の食事情も改善されるだろう。それに、こうやって本当に美味しそうに食べる子供達の姿を見ると、少しでも沢山おいしいものを食べさせてあげたくなる。でも、水とかだって今回はしょうがないから、川の上流まで行って取ってきたものを使ったけど、ちゃんと綺麗なものを飲めるようにしたい。
「ねぇ、みんな話があるの。ちょっと聞いてくれる?」
と、ミリエスが言うと、一斉に30人くらいの視線が集まる。
「私はあなたたちにこれからは、美味しいものを沢山食べてもらいたいし、健康でいてほしいって思ってるの。だから、少し協力してほしいのだけれど、どうかしら?」
「もちろん! 俺にできることならなんでもするよ!」
と、すぐに声を上げたのはユニカだった。
「ありがとう。みんなもいい?」
と、ミリエスが全体に問いかけると、全員頷いた。
「まずね、衛生面的に水は綺麗なものを飲めるようにしたい。だから、簡易的な浄水器をこれから作って、当番制にして綺麗な水を作って行こうと思う。あとね、野菜とかを育てるための畑を作ろう。そのために、今あるゴミを片付ける! 燃やせそうなゴミは浄水器の燃料にして、燃やせなそうなゴミはしょうがないから一箇所にまとめる。それと、ちゃんとした家もとりあいず一つは作る! もし具合が悪くなったり、雨とか降ったりしたら休める家があった方が良いでしょ? 最初は大変だけど、みんなで頑張っていこ!」
「おう!」
ユニカが腕をまくってみせる。
不覚にもそれが少し可愛くてかっこいいと思ってしまった。