青年との出会い②
誤字脱字報告、誠にありがとうございました。また、誤字脱字等により、ご迷惑おかけしたことを、お詫び申し上げます。また、何かありましたら、教えて頂けると嬉しいです。
「持ってきたよー」
ユニカがミリエスに走り寄り、水の入った金属でできた水筒と、一握り程度の塩をミリエスに渡す。
「ありがとう」
ミリエスはリサの背中を左手で支えながら、少しずつ水を飲ませる。そして、水を飲ませたら、ほんの少しだけ水に塩を入れ、味を確かめる。水はほんのすこし味があることを感じられるか感じられないかくらいの濃さだ。これなら彼女に飲ませても大丈夫だろう。ミリエスはリサに塩水を飲ませて、また川の水をかけて、冷やし始める。
「お前、良いやつなんだなぁ〜」
ユニカがミリエスを見ながら言う。
「いや、別に悪い意味じゃねえよ? ただ、聞いてた話だと、現王妃を虐めたみたいだったから••••••」
••••••まぁ、ユニカがこう思うのも無理ないだろう。ミリエスが追放される時、国民にミリエスが行った悪事が全て公開され、無事王子は悪役令嬢ミリエスと婚約を解消し、晴れて現王妃であるユリサエナと婚約したのだから。
「別に怒ってないわよ」
「そっ、そうか」
「ええ」
そこで、リサが目を開ける。すると、すぐさまユニカがリサに声をかける。
「リサさん! リサさん! 大丈夫?」
「••••••ん? ユニカくん? 大丈夫よ」
「そう? よかったぁ」
ユニカは安堵の表情を見せる。
「貴女は?」
リサがミリエスの体から起き上がり、たずねる。
「私はミリエス•クリストアよ」
「そうですか••••••。もしかして私の看病をしてくださったのですか?」
「ええ」
「ありがとうございました」
リサはふらふらと立ち上がり深々と礼をする。
「まだ、具合が悪いでしょ? ゆっくり休んでなさい」
ミリエスはリサを座らせる。
「ねぇ、ユニカ食べ物ある? この人に何か食べさせてあげたいのだけれど••••••」
すると、ユニカは少しばつが悪そうな顔をする。
「ごめん、少しの野菜しか持ってこれなかった」
と、言って、キャベツときゅうりを袋から取り出す。キャベツ一玉ときゅうり一本。二つとも見た感じすごく新鮮で美味しそうである。ミリエスは石で川の端に桶のようなものを作り、野菜を冷やす。
「じゃあ、私はこれからご飯を作るから」
すると、ユニカが驚いた顔をする。
「え!? お嬢様が飯なんて作れんのかよ!」
思わず、怒りそうになるが、確かにいつも使用人がご飯を作ってくれる令嬢が自分でご飯を作れるとは思わないだろう。だけど私は前世では毎日自分でご飯を家族分作っていたのだから、それぐらい容易いことである。
「••••••もちろん作れるわよ」
「そうか! 何か手伝うことはあるか?」
「じゃあ、お腹が空いてそうな子供達を全員連れてきて」
せっかくなら、子供達の分も作ってしまおう。でも、それだと、材料が足りないな。だけど、ここには海があるから、海のものをとってくるか。
ミリエスは海に向かう準備をする。