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始まり
あたりを見わたすと、ゴミに埋もれた小屋のような家と、沢山の痩せ細った子供たちがいる。そう、きっとここはスラムだ。王都は華やかな金や銀がふんだんに使われた建物が建てられ、使用人たちの整備によりゴミは一切ない。同じ人間が住んでいるとは思えないほどの差だ。この国を運営している王族及び貴族は、ミリエスが行った「嫌がらせ」よりもはるかに非人道的な事をやっているのではないか! やはり、この国を放って置くわけにはいかない! しかし、今すぐにでも状況を立て直し、王都に乗り込みたいところではあるが、この状況を放って見捨てていくような事は私には到底出来るはずがない。だから、私は今すぐこのスラムの状況を打破する。それが私が最初にやることだ。