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最高最悪の悪役令嬢に転生しました!

 私は今、例の紫色で無駄に派手なドレスを身に纏っていない。いや、正確にはきっとこれがそのドレスなのだろう。でももはやこれにドレスの面影は一切みえない。色は土の色に染まり、雨水で濡れてふんわりとしたひだは、すっかり萎んで役目を果たしていない。そして、あらゆる方向に布が裂けていて、どこのサバンナからやってきたかのような見た目である。

 これはきっと悪役令嬢の没落後だ。私が前世でやっていた乙女ゲームの悪役令嬢の没落後。普通、性格の悪い悪役令嬢に転生したら、多くの人が嘆くだろう。だが、私はそんなふうには一切思わない。確かにゲーム上では、悪役令嬢がヒロインを苦しめ、その制裁をくらい、追放されたという、まるで悪の成敗物語のようになっているが、よく考えるとそれはおかしい話である。何故なら、悪役令嬢は平民の女に婚約者である王子を寝取られ、浮気野郎の王子に追放されたからだ。確かに悪役令嬢はヒロインに嫌がらせをしたかもしれない。だがしかし、普通自分の婚約者に媚びを売っている女がいたら、怒るのは至って当然だろう。まぁでも、どんな理由があったとしても人を傷つけていい理由にはならいとは、私も思うが••••••。でもそれだったら、婚約者がいることを知っていて、色仕掛けをするような女はもってのほかじゃないか! しかも王子に至っては、ただ単に、かわいいヒロインに惚れて浮気をしたただのクズ野郎である。それなのに悪役令嬢だけが、追放されるのは、いかがなものだろうか。まぁこれが画面上の話だったら、そうは言っても、どうでもいい話であるが、私がこの悪役令嬢に転生してしまったからには、他人事として見ているわけにはいかない。第一こんな浮気野郎と泥棒猫二人でこの国をつくって行く事には不安しかない。ではもう、仕方がないではないか。たとえ追放されて、人生どん底であるところから始まった人生だとしても、投げ出そうなどという貧弱な精神を私は残念ながら持ち合わせていない。さぁここから、一花咲かせて見せようではないか! この悪役令嬢ミリエス・クリストアが!!

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